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暗号資産
Web3.0
2023/04/27

【NEWS】バイナンスUS、ボイジャーの買収を撤回 米国を「敵対的」と表現

米暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスUS(Binance.US)は26日、昨年破綻したボイジャー(Voyager)の買収を撤回することを発表した。

バイナンスUSは発表で、「ボイジャーの買収契約を終了させる権利を行使するという難しい決断をした。この買収プロセス全体を通して、ボイジャーの顧客が現物で暗号資産にアクセスできるようにすることを望んでいた」と述べた。

その上で、買収撤回を決断した理由として「米国の敵対的かつ不確実な規制環境」をあげた。

今年に入り、SEC(米証券取引委員会)による暗号資産関連企業に対する強い締め付けと、規制について明確な態度を示さない姿勢を暗に批判したものとみられる。

また、CFTC(米商品先物取引委員会)は先月、未登録ながら米国でデリバティブサービス等を提供していたとして、バイナンスと同取引所CEOのCZ(Cahngpeng Zhao)氏を提訴している。

ボイジャーは昨年7月初旬に破産を申請した。その後、暗号資産取引所FTXがボイジャーの買収を表明。しかし、FTX自体も破産したため一時は買収そのものが白紙となっていた。

昨年12月に再度入札が行われ、その際にバイナンスUSが約13億ドル(約1,740億円)で買収を行うことで合意に達していた。

先月7日、米連邦破産裁判所はSECの買収に対する異議申し立てを却下し、バイナンスUSのボイジャー再建計画を承認した。また、今月19日には米連邦政府がボイジャー、債権者委員会とバイナンスの買収を進める合意に達したばかりだった。今回、この13億ドルの買収が急遽破談した形となる。

ボイジャーはバイナンスUSの撤回を受け、「こうした展開は残念だ。チャプター11(米連邦破産法第11条)の計画では、ボイジャーのプラットフォームを介して、顧客に現金と暗号資産を直接配布することができる。今後は計画に沿って直接、顧客へ資産の還元を迅速に進めていく」と述べ、近日中に顧客に対して詳細を明らかにする意向を示した。

参考:バイナンスUSボイジャー

画像:Shutterstock


Iolite 編集部