
【NEWS】三菱UFJ信託とDatachainがステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済の技術検証に成功
三菱UFJ信託銀行とDatachainは27日、ステーブルコインを活用したデジタル証券のクロスチェーン決済に関する技術検証が成功したと発表した。
両社は昨年9月に発表した「ステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済の商用化」に向けた技術提携や、今年3月に発表した「ステーブルコイン間の滑らかな相互移転・交換の実現」に向けた技術提携を行ってきた。
発表によると、今回は「デジタル証券のクロスチェーン決済」における第1ステップである技術検証に成功したという。
今回の技術検証ではブロックチェーン基盤の1つとして「Corda」を採用しており、開発元である米R3社が協力した。
ステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat Coin」におけるブロックチェーン層の1つであるCordaと、Progmat以外のデジタル証券を扱うブロックチェーン基盤を想定した「GoQuorum」を相互接続し、両ブロックチェーン上のトークンの同時移転を実現させたという。
Progmat基盤を用いたクロスチェーンの取り組みは2種類あるが、今回はステーブルコインとデジタル証券のDVP(Delivery Versus Payment)決済に関するもの。ほかにはステーブルコイン同士、ステーブルコインと地域デジタル通貨などのPVP(Payment Versus Payment)決済に関する取り組みを行っている。
法規制に準拠するステーブルコインによるデジタル証券のブロックチェーンを跨いだクロスチェーン決済は、世界でも最先端の取り組みとなっている。
今回は異なるブロックチェーン基盤上でのトークンの同時移転、そして拡張性の高いトラストレスなブロックチェーン間相互検証について取り組んだ。
技術検証の結果、CrdaとCoQuorumという異なるブロックチェーン基盤間で、高い拡張性とトラストレスな構造を有した上で、それぞれのブロックチェーン上のステーブルコインとデジタル証券の同時移転が可能であることが確認された。
今後、Progmat Coin基盤を用いた各種ステーブルコインは、2023年の改正資金決済法の施行を踏まえ、取り扱う仲介業者がライセンス登録を完了し次第、発行・流通が可能となる予定だ。
三菱UFJ信託銀行とDatachainはR3や関連する証券会社等とも連携を深めながら、2024年の商用化に向けて引き続き取り組みを推進していくとしている。
参考:三菱UFJ信託銀行
画像:プレスリリースより