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暗号資産
金融・経済

【NEWS】ブラックロック、イーサリアム現物ETFを申請 価格上昇要因に

里見 晃
2023/11/09

イーサリアム現物ETF実現へ法廷信託登録

世界最大の資産運用企業ブラックロック(BlackRock)がイーサリアム現物ETFを申請する手続きを進めていることがわかった。9日、ナスダックが米証券取引委員会(SEC)へ「フォーム19b-4」を提出したことで判明した。

ブラックロックは約9兆ドル(約1,362兆円)の資産を管理する金融界の最大手だ。

ブラックロックは9日、イーサリアム現物ETF「iShares Ethereum Trust」をデラウェア州の法廷信託として登録した。同日、ナスダックも信託株を上場・取引する提案書を提出した。

デラウェア州企業局のWebサイトには、iShares Ethereum Trustが9日に登録されたことが示されていた。申請書によると、iShares Ethereum Trustのティッカーは「ETH」で取引され、信託が保有するETHの価格を厳密に追跡すると記載されている。ブラックロックの子会社iSharesが運用を手がける。

ブラックロックがイーサリアム現物ETFの承認に向け、正式にSECへ申請する時期については明らかになっていない。

SECは先月2日、イーサリアム先物ETFの取引開始を許可した。取引が開始されたイーサリアム先物ETFの運用企業は、プロシェアーズ(Proshares)、ヴァンエック(VanEck)、ビットワイズ(Bitwise)のETFだ。

グレースケール(Grayscale)は現在運用しているイーサリアム投資信託をイーサリアム現物ETFへ転換する申請をSECに提出している。

ブラックロック以外ではアーク(Ark)、インベスコ(Invesco)、ハッシュデックス(HashdeX)などがイーサリアム現物ETFを申請中だ。


ETH価格は7月以来の2,000ドル台に復帰


今回の動きを受け、イーサリアム(ETH)の価格は約10%以上上昇。7月以来となる2,000ドル台に復帰し、現在は2,120ドル(約32万円)付近まで上昇し推移している。ETHは月間で30%以上上昇しており、1年前と比べて85%上昇している。

ビットコイン(BTC)もETH価格推移による影響を受け、約3%上昇した。現在は36,639ドル(約556万円)付近を推移している。


ビットコイン現物ETFの承認期待は高まる


ブラックロックは今年6月に初めてビットコイン現物ETFの上場申請を行い、現在SECの審査を受けている。

SECはまだビットコイン現物ETFを承認していないが、グレースケール社の申請に対する再審査命令の判決を受け、暗号資産現物ETFに柔軟な姿勢を示すようになっている。SECのゲーリー・ゲンスラー委員長はビットコイン現物ETFについては専門チームが審査を行っていることを明らかにしている。

ブルームバーグのアナリストであるジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏も9日、現在申請されている12件のビットコイン現物ETFについて、「11月8日から11月17日の間に承認される可能性があるだろう」とコメントをしている。

参考:ナスダック「フォーム19b-4」デラウェア州企業局
画像:Shutterstock


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