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【NEWS】香港当局、ビットコインなどの暗号資産現物ETFの承認を検討

Shogo Kurobe
2023/11/06

SFC(香港証券先物委員会)が、暗号資産(仮想通貨)現物ETFを承認する可能性が浮上した。6日、ブルームバーグが報じた。

報道によると、SFCのジュリア・レオン(Julia Leung)CEOは「規制上の懸念が払拭されることを前提として、個人投資家が暗号資産現物ETFにアクセスできるよう検討している」と述べたようだ。

また「効率化と顧客体験を高める革新的な技術を使った提案を歓迎する」とし、リスク面を考慮した上で「喜んで挑戦する」と意気込みをみせた。こうしたアプローチは特定の暗号資産に限ったものではないとしている。

すでに香港では暗号資産の先物ETFは上場している。サムスンの「Samsung Bitcoin Futures Active」を始め、「CSOP Bitcoin Futures」「CSOP Ether Futures ETF」が取り扱われており、これらの資産価値は約6,500万ドル(約97億円)にのぼる。

香港はWeb3.0の推進を図っており、その一環で「暗号資産のハブ化」を目指している。今年6月にはあらたな暗号資産規制が施行され、本格的に暗号資産市場の開拓に向け機運が高まっている状況だ。

一方で、9月に発生した未認可の暗号資産取引所JPEXを巡る巨額の詐欺疑惑を受け、規制当局は対応に追われているのも事実だ。この事件ではJPEXのユーザーが暗号資産を引き出すことができなくなっていたほか、資産保有高が改ざんされるなどして、日本円にして260億円以上もの被害が生じている。

これを受け、SFCはライセンス申請者を公開し、さらには投資家保護の一環で、暗号資産の複雑な商品については適格な投資家のみが取引できるようにすべきとの声明が発せられた。

暗号資産の現物ETFを巡っては、米国が目下注目の舞台となっている。大手資産運用会社ブラックロック(BlackRock)を筆頭に、複数社が申請しているビットコイン現物ETFの承認観測が高まっており、その期待感は暗号資産市場にもあらわれている。

現在、各社は承認率を高めるべく相次いで再申請を行っており、SEC(米証券取引委員会)の動向に引き続き注目が集まる。

こうした状況で、世界屈指の金融セクターである香港で暗号資産現物ETFに前向きな姿勢がみられたことは、暗号資産業界にとってポジティブな動きだ。

参考:ブルームバーグ
画像:Shutterstock

Shogo Kurobe