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金融・経済

【NEWS】ステーブルコインについて盛り込んだ改正資金決済法が施行 トラベルルールへの対応も随時開始

Iolite 編集部
2023/05/31

1日、ステーブルコインを電子決済手段として定義した改正資金決済法が施行された。これにより、日本円などの法定通貨や価値を裏付けられたステーブルコインの発行が可能となる。

また、改正資金決済法ではステーブルコインを電子決済手段として定義しており、今後企業間決済等での活用にも期待が集まる。

ステーブルコインは法定通貨や金などを裏付け資産として発行される。裏付け資産と同価格で変動することから、ボラティリティが高いとされる従来の暗号資産(仮想通貨)と比べて決済や送金手段としての需要も有する。

現在、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などの時価総額の高いステーブルコインは、さまざまな暗号資産取引所において主要な取引ペアとして機能している。

日本では昨年6月にステーブルコイン規制について盛り込んだ改正資金決済法が成立した。その後、同年12月にはテザー等の海外で発行されたステーブルコインについても取り扱いを認める方針を固めた。

資産保全については発行者ではなく、流通業者が行うこととなる。なお、日本で発行されるステーブルコインについては発行者を銀行、信託会社、資金移動者の3主体に限定し、流通を担う事業者に登録を義務付ける。

国内ではすでに複数の銀行や企業がステーブルコイン開発に着手しており、今後さらに動きは加速していくものとみられる。

暗号資産関連では、FATF(金融活動作業部会)が提唱する「トラベルルール」への対応が国内各暗号資産取引所で開始されている。

トラベルルールはマネーロンダリングやテロ資金供給を防ぐことを目的とし、顧客情報の共有等を行う。具体的には、暗号資産の送付依頼人及び受取人に関する情報を、送付先の暗号資産交換業者に対して通知する義務が生じる。

トラベルルールへの対応に伴い、国内暗号資産取引所では直接暗号資産を送付できない取引所に関しても発表が行われている。

トラベルルールに準拠した「TRUST(Travel Rule Universal Solution Technology)」を利用するコインチェック及びbitFlyerなどでは、同システムに対応していない暗号資産取引所への送付や預入が不可能となった。これはTRUSTとその他異なる通知システムとの間で互換性がないため生じた対応となる。

また、TRUSTに対応している暗号資産以外の送付及び預入についても制限が課せられる。コインチェックの発表によれば、同取引所からbitFlyerにリスク(LSK)を送金しようとした場合、リスクがTRUSTにて対応していない暗号資産であることから、送金することができないとしている。

TRUSTにおける通知対象となる国は米国やカナダ、韓国など、日本を含む21ヵ国となり、これらの国々でサービスを提供する暗号資産取引所ではこの制限が課せられる。

一方、この21ヵ国以外の国に拠点を置く取引所への送付等については現状可能だ。

ステーブルコインに関する内容を盛り込んだ改正資金決済法の施行及びトラベルルールへの対応によって、国内の暗号資産を取り巻く環境は大きく変化する可能性が高い。今後も各所でさまざまな発表が随時行われていくものとみられ、注視する必要がある。

参考:コインチェック

画像:Shutterstock

Iolite 編集部