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暗号資産
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【NEWS】米SEC、バイナンスとCEOのCZ氏を提訴 暗号資産市場に打撃

Iolite 編集部
2023/06/05

米SEC(証券取引委員会)は5日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)及びCEOのCZ(Changpeng Zhao)氏を提訴したことを発表した。

SECはバイナンスとCZ氏がさまざまな証券法違反を犯したとして、13件の容疑で提訴した。

この発表を受けて暗号資産市場は主要銘柄を中心に全面安となっている。ビットコイン(BTC)は前日比4%、イーサリアム(ETH)は前日比3%、そしてバイナンスの独自暗号資産であるバイナンスコイン(BNB)は前日比9%と大幅に下落した。

SECは訴状で、バイナンスが未登録ながら取引所運営を行なっていたほか、米国ユーザーに対してバイナンス本体のサービスを提供していないとしながらも、実際には重要顧客に対して取引を秘密裏に許可していたと主張。

また、バイナンス及びCZ氏が顧客資産を分別管理することなく混同して流用したと主張しているほか、同氏が所有・管理するSigma Chainという事業体で利用されていたと述べている。

さらに、未登録の有価証券をユーザーに提供したとしており、該当する銘柄としてバイナンスコイン、バイナンスUSD(BUSD)、ソラナ(SOL)、ポリゴン(MATIC)、エイダ(ADA)、アルゴランド(ALGO)、アクシー・インフィニティ(AXS)、コスモス(ATOM)などをあげた。

SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は「13件の告訴を通じてバイナンスとCZ氏が広範な欺瞞、利益相反、情報開示の欠如、計画的脱法に関与したことを主張する」と述べ、「どこで誰が取引所運営を行っているのか、提携するマーケットメーカーの操作的な取引、そして投資家の資金と暗号資産をどこで誰が保管されていることさえ隠蔽している」と痛烈に批判した。

また、「米国ユーザーを自社のプラットフォームに留めておくため、秘密裏に虚偽の自社規制を発表し米国証券法を回避した。バイナンスとCZ氏は自らの利益を最大化するために意図的に規制を回避しユーザーや投資家にリスクを取らせることを選択した」と続けた。

SECの措置に対して、バイナンスは「SECによる告訴は遺憾だ」と声明を発表。当初からSECの調査に積極的に協力し、懸念事項に対処するために努めてきたと主張した。

バイナンスは発表で、「つい先日まで解決するため交渉し、和解にたどりつくよう誠意をもって話し合いをしてきた。本日の告訴により、SECはそのプロセスを放棄し、一方的に訴訟を起こすことを選択した。私たちはSECの申し立てを真剣に受け止めているが、その執行措置は間違っている」と述べ、SECの対応を非難している。

今後、自社プラットフォームを守るために尽力するとし、暗号資産業界が求める明確な指針を勝ち取るためにSECと争うとしている。

参考:SECバイナンス

画像:Shutterstock


Iolite 編集部