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ベンチャーとスタートアップの決定的な違いとは?

Iolite 編集部
2023/05/29

今知りたいベンチャーとスタートアップの違い

2023年に入り、メディアなどで目にする機会が多いトレンドワードに「スタートアップ」というワードがある。IT企業が多く集まる米国サンフランシスコのシリコンバレーで使われ始め、日本に流入してきたトレンドワードだ。

スタートアップとは

スタートアップとは、「始動」や「開始」などを意味する英語「Start Up」に由来し、先進的なテクノロジーやアイデアを武器に、市場やビジネスモデルをゼロから構築・開拓して市場と共に企業も成長していく新進気鋭の企業やプロジェクトのこと。前例のない社会価値を創造するイノベーションを生み出すことで、短期間での急成長を目的としている。

スタートアップの代表的な企業として、Google、Amazon、Facebook、Uberといった企業があげられる。その一方で、一昔前に流行ったトレンドワードに「ベンチャー」というワードがある。現在、スタートアップ企業として括られる企業もその頃は「ベンチャー企業」の代表格として語られてきた。

日本においては「スタートアップ」と「ベンチャー」は同じような意味合いを持つワードだと捉われがちだが、実際にはこの2つのはまったく違うものだ。

一昔前のトレンドワード「ベンチャー」とは、「アドベンチャー(adventure)」をもとに作られた和製英語。「ベンチャービジネス」や「ベンチャー企業」などはこの「ベンチャー」から派生して作られたワードとなる。つまり、そもそも日本人が使い始めた日本のみで通用するワードなのだ。

そして、「スタートアップ 」と「ベンチャー」ではそのビジネスモデルに根本的な違いがある。まずは「ベンチャー」とは何かを改めて理解し、「スタートアップ」との違いを認識して、「スタートアッ プ」とは何かを学ぼう。


そもそも 「ベンチャー」とは何か

そもそも「ベンチャー」とは「アドベンチャー(adventure)」がもとになった和製英語だ。

英語の「Venture」は一般的には「Venture Capital」といった「投資を行う企業」という意味合いだが、日本における「ベンチャー」の意味合いはもっと幅広く、成長過程の企業を指す言葉として、当時法政大学で教佃を振るっていた清成忠男教授らが使い始めた造語といわれている。

それゆえに、設立が間もない企業やスモールビジネスを展開する企業、単に社員数が少ない企業もベン チャー企業に含まれる場合がある。

ベンチャー企業の明確な定義はないが、その特徴として下記があげられる。

❶既存のビジネスモデルをベースに新サービスを作り出す
❷設立から日が浅い
❸スモールビジネス
❹小規模から中規模の企業
❺少ない社員数

など。

注目すべきポイントは「既存のビジネスモデルをベースに新サービスを作り出す」という特徴と「スモールビジネス」という特徴。ベンチャーとスタートアップの1番の違いがこのビジネスモデルの違いとなる。

ベンチャーは既存のビジネスモデルをベースに収益性を高める独自の施策を打つ、もしくは既存のビジネスモデルに新サービスや新テクノロジーが、ある程度受け入れられると判断した場合に既存の市場に参入し、長期的な成長を見込んで事業を展開していく。スモールビジネスのスケールを拡大することで多くの収益を得ることを目的としている。


ベンチャーとスタートアップの決定的な違いとは?

日本ではスタートアップ企業とベンチャー企業が「企業間もない新興の会社」として一括りにされ、それらを混同して認識されるケースがあるが、前節で解説した通り、両者にはビジネスモデルという点で明確な違いがある。

前節の繰り返しになるが、ベンチャーが既存のビジネスモデルをベースに新知識や独自技術の事業を創出して既存の市場に参入、目指すゴールは安定した収益と長期的な成長を目的としている。国内企業でいうとソフトバンクなどはベンチャー企業が拡大した事例といえる。

スタートアップは、世の中の顕在化していない顧客のニーズをキャッチアップして、革新的もしくは先鋭的なアイデアやテクノロジーをもとに、実証実験を重ねてあたらしいビジネスモデルを構築することを目的とする。

スタートアップの可能性に共感した投資家から受ける出資が起動力となり、あたらしいビジネスモデルの構築に向けてスピーディーに事業を展開していく。短期間で急成長させることで企業の価値を高め、株を売却して利益を確定させる。Google、Amazon、Facebook、Uberといった企業がそれにあたる。

スタートアップの特徴を簡単にまとめると下記があげられる。

❶革新性イノベーション
❷短期間で急成長を目指す
❸企業の価値を高め、株を売却して利益を確定
❹投資家から資金調達

など。

スタートアップ市場は現在進行形で成長中している。メルカリやラスクルなど、国内のスタートアップ企業でも時価総額1,000億円を超える企業が増えている。

このように、今後もスタートアップ市場は右肩上がりに成長していくことが予想され、あらたなスタートアップ企業などを注視して市場の動向に着目していく必要があるだろう。


スタートアップ

[特徴]
先進的なアイデアを武器に市場やビジネスモデルをゼロから創造

[成長戦略]
短期間での急成長

[資金調達]
ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家などによる集中出資

[目的]
M&AやIPOによる短期での投資資金回収、安定的な会社組織の確立


ベンチャー

[特徴]
既存のビジネスモデルで事業展開

[成長戦略]
長期的かつ安定的な成長と事業拡大

[資金調達]
自己資金、一般的な銀行融資など

[目的]
右肩上がりの成長と持続的かつ安定的な会社組織の確立



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