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5Gよりもさらに高度な6Gとは?

Iolite 編集部
2024/06/02

全ての発展の基盤を支える通信技術

5Gよりもさらに高度な6Gへ
リアルとバーチャルの境目が消える?
AIや通信衛星との融合で、超スマートシティも現実味を帯びる——

中国ECの市場規模「出典:中商産業研究院」

2023年のデータによると、中国のライブコマース市場は約3兆元(約4500億ドル)に達することが推定されている。

これは、前年から30%以上の成長を示しており、その勢いは衰えることがない。特に、コロナウイルスのパンデミックによりオンラインショッピングの需要が急増し、ライブコマースが勢いを増して普及した。

同国のライブコマースの市場規模が、2020年には約1兆元(約1500億ドル)程度だったことを考えれば、その後の数年間で急速に拡大していることがわかるだろう。

この急成長は、ライブコマースが単なる一時的なブームではなく、消費者の購買行動にも深く根付いたことを示している。この急成長を支えたのが超高速通信だ。

2024年においても、通信技術の進化は日常生活から産業分野に至るまで、多くの影響を及ぼしている。特に5Gの普及と、将来的に実現するとされる6G技術は単なる通信速度の向上にとどまらず、社会全体の構造を根本から変革する可能性を秘める。

5Gは最大で10Gbpsの通信速度を実現し、4Gの約100倍の速さでデータを転送することが可能だ。また、遅延時間は1ミリ秒以下と非常に短く、リアルタイム性が求められるアプリケーションに最適である。

これにより、オンラインゲームや遠隔操作、医療手術などの分野で大きな進展が見込まれている。加えて大量接続も可能となった。

5Gは1平方キロメートルあたり約100万台ものデバイスを接続できるともいわれるため、全てのモノがインターネットに同時接続する世界とIoTデバイスの普及を支えることになるだろう。スマートホーム、スマートシティ、自動運転車など、多数のデバイスがシームレスに連携する未来の実現だ。


5Gの特徴と影響


本特集でも触れているが、高解像度の4K/8K映像やVR/ARコンテンツのストリーミングが今まで以上にスムーズに行えるようになる。リアルタイムでのインタラクティブな体験が可能になり、エンターテインメントの質が飛躍的に向上する。

たとえば、スポーツのライブ中継やコンサートをVRで体験することができ、視聴者はまるで現場にいるかのような感覚を味わえる日がくるだろう。

また、遠隔医療の発展に寄与し、離れた場所にいる医師がリアルタイムで手術を支援したり、診断を行ったりできるようになる。

これにより、医療アクセスが向上し、特に緊急時の対応は迅速化。加えて、AIを活用した診断支援システムとの連携も進み、精度の高い診断が可能だ。


6Gの特徴と未来展望

6Gとは?「出典:NTTコミュニケーションズ」

5Gが実装され始めて取り沙汰され始めた6Gは、最大で1Tbpsの通信速度を目指しているとされ、5Gの約100倍以上の速さでデータを転送することが可能だという。

また、遅延時間は数百マイクロ秒以下とされ、リアルタイム性がさらに向上。ここまでの発展があれば、すでに遅延という概念はなくなって、さらに高度なインタラクティブサービスが実現される。

もちろん、6Gは5G以上に多くのデバイスを接続可能とし、IoTの発展をさらに加速させる。これにより、都市全体が高度にネットワーク化された「超スマートシティ」の実現が期待できる。

各種センサーやデバイスが相互に連携し、効率的なエネルギー管理や交通管理が可能になると考えられる。

6Gの超高速通信と低遅延により、拡張現実(XR:VRとARを統合した概念)もさらに進化し、仮想世界と現実世界の境界が一層曖昧になる。

教育、エンターテインメント、ビジネスなど多様な分野であたらしい体験が可能になるのはもちろんのこと、リアルと拡張現実の境目がなくなるインフラが整う段階になるかもしれない。


AIや衛星通信との融合


6GはAIや衛星通信との融合を前提とした設計が行われると予想される。これにより、ネットワーク自体が自己最適化し、リアルタイムでユーザーのニーズに応じたサービス提供が可能になり、地上の基地局だけでなく、衛星通信を統合したグローバルなネットワークを構築する。

インフラが整備されていない地域でも、インターネット接続が可能になり、最適なルーティングやリソース配分を行うことで、通信品質が担保されるだろう。

ストリーミング配信市場は、これら高速通信の発展と共にNetflixやAmazon Prime Videoといった大手プレイヤーを生み出した。

一時ストリーミングサービスの乱立により、消費者はどのサービスに加入するべきか迷うケースが増えたが、結果としてApple TVやAmazon Fire TVのようなアグリゲーションサービスが台頭し、複数のストリーミングサービスを1つのプラットフォームで視聴できるようになった。

各種プラットフォームは、ユーザーインターフェースの改善やレコメンデーション機能の強化に力を入れており、視聴者の利便性を高めることに注力している。


今後の展望


また、広告モデルの進化も見逃せない。従来のサブスクリプション型のビジネスモデルに加え、広告付きの無料プランを提供するサービスも増えてきた。

広告収入を得ながらも、より多くの視聴者を獲得することモデルだ。特にYouTubeやSpotifyはこのモデルで成功を収めた良い例だろう。

人工知能(AI)を活用したパーソナライズドコンテンツの提供が一層進み、AIは視聴者の嗜好を分析し、個々のユーザーに最適なコンテンツを推薦する機能が強化される。

高速通信の発展は、私たちの生活を大きく変え、より便利で効率的な社会を実現するピースだ。特に6Gは、想像の域を超えるあたらしい技術やサービスの創出を期待させるものであり、その到来が望まれる。


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