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AI
Web3.0

生成型AI関連銘柄 メリット・デメリット

Iolite 編集部
2023/06/04

日本国内でも「pluszero」「Fusic」のIPOが注目されるなど、「生成AI」関連銘柄への投資熱が高まる気配が!

成型AIが世界的な盛り上がりをみせている。 生成型AI(Generative AI)とは、文章や画像、 音声、プログラムコードなど、さまざまなコンテンツを生成することができるAI(人工知能)のこと。大量のデータを学習し続けることで、人間が作成するような画像や文章を創り出せるのが最大の特徴だ。

AIがビジネスや日常生活に活用され始め久しいが、 これまで多かったのは、AIにデータを与え答えを学習 させ、入力したデータの正誤を判定する「識別型AI」だった。

AIが大量のデータを学習して正しい答えを学び、与えられたデータと比較することで基準をクリアしているかどうかを判定できるのが強みで、製造現場での製品チェック、医療現場におけるがんなど病巣の発見に使われることで、業務の自動化・効率化に貢献している。

片や生成型AIは、人間のようにクリエイティブなものを生み出せるのが大きな違いで、作業をサポートしたり代替することが可能だ。

現在は画像生成系の「Midjourney」や「Stable Diffusion」、生成型AIの認知度アップにひと役買った米OpenAI社による「ChatGPT」、動画を生成する「Gen-1」、音声サンプルを入力すると高精度で学習し、テキストを読み上げるだけではなく感情に合わせた表現もする音声生成の「VALL-E」などが登場している。


米企業を中心に生成型AIへの投資やビジネスへの実装
日本企業の対応は?

メガテック企業による巨額投資・開発も後を絶たない。Microsoftは5月に、対話型AI検索エンジン「Bing」を公開したかと思えば、Googleを運営するAlphabetも英語や日本語など100言語をサ ポートする対話型AI「Bard」を公開した。

FacebookやInstagramを運営するMetaの方向性は異なり、生成型AIを搭載した広告ツール「AIサンドボッ クス」の試験提供を始めると、5月11日に発表。背景画像や広告コピーなどの作成をAIが支援するというもので、まずは広告主を限定して提供し、7月には利用できる広告主の数を増加、以降はAI機能の一部を一般的な広告商品に組み込むという。

ちなみに、MicrosoftはOpenAI社に対して2019年に10億ドルを投資、Officeなど自社プロダクトに活用してきたが、今年1月には100億ドルを複数年にかけて追加で投資することがわかった。AIとの統合を加速させる。 なお、OpenAI自体も運用資産1億ドルのスタートアップファンドを組成し、主にアーリーステージのAIスタートアップ12社に出資している。

生成型AIの開発を生業とするスタートアップも少なくない。VCは色めき立っていて、ホワイトカラーの生 産性を向上させるAIツールを開発する米Dustに対しては、欧米の複数VCが出資争いを展開させることに。 最終的には大手、Sequoia Capitalが、500万ドルほどが集まる調達ラウンドの幹事を務めることになった。

また、パーソナライズされた商品画像を作成する生成型AIを開発する米トリートは、米VCのGreylock Partnersから850万ドルのシード資金を獲得している。 日本では、ChatGPTなど生成型AIの活用事例が目 立つ。たとえば、三井化学(4183)は4月、化学素材のあらたな用途を見つけ出す業務に同ツールを導入。

システム開発を手がけるパナソニックコネクトは、日本マイクロソフトと組みChatGPTの技術を使った生成型AIを開発し、今年2月から全社員に導入している。三井住友フィナンシャルグループ(8316)も同社の協力のもと独自の生成型AIを開発し、書類作成などの業務に活用する方針だ。


生成型AIへの投資ブーム 注目すべき個別株は?

▶マイクロソフトは 「Microsoft 365 Copilot」 を発表しており、ソフトウェアカテゴリーも大きく進化する

開発会社、導入効果に収益改善など、生成型AI の開発・活用は当面のところ、ビジネスのトレンドになることは想像に難くない。DXの文脈からも予想がつく。

そこで気になるのは、企業やVCによる生成型AI開発企業への投資ブームが起きるなか、個人はどういった銘柄に注目すれば良いのかという点だ。スタートアップを含め雨後の筍のように関連企業が増えていて玉石混交の様相をていしているだけに、注意が必要だ。

NFTやメタバースは投資家を大いに賑わせたが、果たして今はどうか。同じ轍を踏んではならない。 生成型にこだわるのではなく、広くAI関連銘柄を物色するなら、米Amazon.comは注目銘柄だ。

同社のAWSは以前からAIを導入し、AIのパフォーマンスを引き出すために、半導体メーカーのNVDAとも協業している。同社がAI時代に取り残されるとは考えにくい。

高度なメモリなどを生産するLam ResearchもAIの発展に欠かせない。高性能チップの製造には同社の技術が必要とされ、同社もそういった見通しでビジネスを展開する方針だ。先述したMicrosoft、Alphabet、Metaに加えて、こういった米国株はAI関連としてウォッチしておきたい。

日本株はどうだろうか。AI開発 のメンバーズ(2130)やFRONTEO(2158)、PKSHA Technology(3993)、AIサ ービスを展開するNECネッツエスアイ(1973)、AI関連メディアを運営するアイティメディア(2148)、他にもZホールディングス(4689)、システナ(2317)などが関連銘柄に数えられる。

本稿では生成型AIを中心に話をしたが、画像認識など活用分野は広い。医療分野ではがんの検出、河川や 橋梁のひび割れ、顔認証などがそうで、こういった分野も今後は伸びが期待できるだろう。関連銘柄もAIを開発する企業だけではなく、AIをビジネスに活用する企業も含まれる。視野を広く持ち、有望な銘柄を探すようにしたい。

また、生成型AIはデータ保護違反や著作権侵害といったリスクを抱えている。イタリアは3月末にChatG PTの利用を一時的に停止すると発表したほどだ。こういった点にも注意しないといけない。


選んではいけないAI関連株



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