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ビットコイン現物ETFイメージ画像
暗号資産
金融・経済

【NEWS】SEC、ビットコイン現物ETFの承認可否で最終協議に進展か

里見 晃
2023/12/07

ビットコイン現物ETF承認に向け最終段階

SEC(米証券取引委員会)が、ビットコイン現物ETFの上場を目指す資産運用会社における重要な技術について協議を始め、まもなく承認する可能性があることがわかった。7日、ロイターが業界幹部の話として報じた。

グレースケール(Grayscale)、ブラックロック(BlackRock)、アークインベスト(ARK Invest)などビットコイン現物ETFを申請している13社が協議に入っているという。

支持者らは、暗号資産(仮想通貨)の現物価格に連動するETFのような規制商品が、投資家にビットコインへの最良の投資方法を提供すると主張している。しかし、SECはこうした商品は投資家保護の基準を満たしていないとして、これまで承認を拒否してきた。

しかし今年8月、裁判所はグレースケールによるビットコイン信託のETF転換に関する申請をSECが拒否したことについて、誤りであったという判決を下した。以降、SECはグレースケールと承認について協議を継続している。商品の作成と償還の詳細について、グレースケールとSECは詳細を詰めていると関係者は述べている。

ビットコイン現物ETFは暗号資産市場に大きな影響を与える可能性がある。これまで暗号資産を直接保有することに警戒感を覚えていた投資家の資金が暗号資産市場に流入する。もしビットコイン現物ETFが上場すれば、最初の数日間で最大30億ドル(約4,300億円)が流入すると予測するアナリストもいる。

SECは来年1月10日までにまずアークの申請について最終決定を下す必要がある。関係者によると、SECは新年にも承認する可能性があることを示唆しているという。

ARKのCEO、キャシー・ウッド(Cathie Wood)氏は先月、Yahoo Financeのインタビューを受けた際、SECの議論が性質的に変化し、いくつかの申請が承認される可能性が高まっていると語った。

また、モーニングスターのETFアナリストであるブライアン・アーマー(Bryan Armour)氏は「私の推測では1度に複数の現物ETFが承認されるだろう。投資家にはそれらの商品を比較する最良の機会が与えられるはずだ」と述べた。

SECが公開したメモによれば、ブラックロック、グレースケール、アークらの幹部達が9月以降、弁護士や現物ETF上場を希望している取引所の幹部達とともにSECのチームメンバーと協議を行なっているようだ。

ほかの経営者たちもロイターに対して、SECのスタッフと協議したと語った。さらにブラックロックの会議メモには、資産運用会社の改訂された償還方法についての詳細な説明が含まれていたという。

これらのメモや関係者筋の話によると、これまでの協議は主にSECの取引・市場部門や企業財務部門のスタッフと行われてきたが、最近になってゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の側近と協議が行われているようだ。

また、SECの情報要請のペースもこれまで数ヵ月間のペースで求められていたものが、最近は毎週のペースになっているという。協議が進むにつれて、発行会社は申請書を更新する必要が生じているようだ。たとえば、ブラックロックは今週、投資家保護のための措置についてより多くの洞察を提供するために申請書を修正したという。

情報筋によると、グレースケールとの係争で下された判決が、SECによる申請の拒否を制限しているようだ。多くの発行会社は、上場取引所と米国大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)との間の監視協定により、SECの市場操作の懸念に対処できたと考えているという。

参考:ロイター
画像:Shutterstock 


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