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杉原杏璃インタビュー
金融・経済
AI

投資で"億り人"になった杉原杏璃 杉原杏璃の投資の心得とは——

Iolite 編集部
2023/09/28

堅実さはきっと武器になる

30万円から始めた投資は5年目で資産1,000万円に。
杉原杏璃が投資を通じてみつけたあたらしい自分らしさとは——

——投資を始めたきっかけを教えてください。

杉原杏璃(以下、杉原):今から18年前、23歳で上京してきた時に芸能界のお仕事だけでは食べていけず、だけれどもアルバイ トをすることもできないというなかで、どうやってお金を増やしていこうというのがまずありました。

その当時、ネット証券が流行り始めていて、ガラケーとノートパソコンさえあれば自宅でも簡単に取引できるということで、生活のために始めた形ですね。

——1番最初に買った株は覚えていますか?

杉原:今は上場廃止して取り扱いがないのですが、東京ドームの株を買いました。当時はほとんど何も知らなかったので、とりあえず自分の好きな分野で関連した会社の株を選びましたね。

私は野球が大好きで、広島カープのファンということもあって、「カープの試合をタダでみるには東京ドームの株を買うしかない!」と思い安易な考えで選んだ感じです(笑)。

やっぱり自分が知っている企業や身近な分野の株でないと業績を調べるのも億劫になってしまいますし、楽しんで投資ができないと思います。それは当時と今もあまり変わっていません。

——初めて投資をしようとした時に怖さのようなものは感じましたか

杉原:最初は知識がまったくなかったので“怖さ”という感覚がわかりませんでした。それがある意味良かったんでしょうね。「やれば投資って儲かるんでしょ?」という感覚で始めたので、今はなおさら若い時にスタートできて良かったと感じています。


投資は自分の可能性を広げるきっかけ

——自身の著書を出版しようと思ったきっかけはなんですか?

杉原:そもそも、30歳を超えるまでは投資をやっていることを親だけでなく、事務所にも話していなかったんですね。けれども、投資を始めて5年くらい経った時に運用益が1,000万円を超えたこともあって、実績も伴ったし「投資でこれだけ資産ができました」といっても問題ないだろうと思いました。

その時にそろそろ良いかなと思い親や事務所に初めて投資のことを話しました。いきなり本を出そうという考えはありませんでしたが、まずは事務所にしっかりと実績を証明してからでないとほかの方々にお話するのはできないというか、してはいけないことだなという考えが私のなかでありました。

でも事務所にもしっかり説明できた後に、田舎から出てきた私のような小娘でも少しずつ資産を増やすことができるし、投資で生活することも夢じゃないんだよ、ということを投資の入り口として伝えたいなと思い、これが本を出すきっかけになりました。

——投資をする上で気をつけていることや目標はありますか?

杉原:気ををつけていることは20代の頃から根本的に変わっていません。自分が決めたマイルールに従って、欲張らず、小さな利益を積み重ねていくことを大切にしています。投資を始めた当初の目標は少しでも生活の足しになればというのが大きくて、利益を少しでも出せればいいという考えでした。

直近では「投資のシェアハウス」を作ることを目標にしています。私が18年間投資を続けてきたなかで何が1番大変だったかというと、投資仲間がいなかったことなんですね。投資の師匠みたいな人もいなかったですし、お金の話自体、身近な人であればあるほどなかなかしにくいじゃないですか。

プライベートで友人と話すということもないと思います。ですので、同じく投資に興味のある人たちとコミュニティを作って、一緒に暮らしながら投資に入ることができれば有意義な時間になるのではないかと考えました。目的としては投資のコミュニティスペースが欲しかったからというのが大きいかもですね。


最新のセクターとの向き合い方

——Web3.0という言葉は聞いたことがありますか?

杉原:聞いたことはあるんですけれども、ブロックチェーンを使った何かということ以外何も知りませんでした。でも、NFTやメタバースとか、最近ですとAIとかはしっかりと把握しています。

——AIなど次世代のあたらしい技術に関する銘柄をどのように捉えているか教えてください。

杉原:投資のなかでも、流行りのセクターというのはその年によって変わります。今注目すべきセクターというのはネットなどで誰でも情報を得ることができる時代になりましたので、株式投資のなかでもメタバースや生成AI、半導体など、将来性が見込めるような分野は投資が集中しているような気がしますね。私自身もそういった情報は満遍なく調べています。そのなかでも、自分の興味があるものに投資をしています。

——現在興味のあるセクターはどんなものでしょうか?

杉原:ChatGPTなどが大変話題になっているので、生成AIなどは1番興味のあるところというか、関連銘柄は注目していますね。やっぱりそういう銘柄は拾っていかなければならないと思い調べていますが、投資のタイミングなどなかなか難しい部分もあります。

AIに限らずですが、あたらしい技術への投資は非常に難しいです。一時的な流行りかもわからないし、本道をたどるかは未来にならないとわかりませんからね。なので、実際に投資をする分野はインバウンドや小売など、自分の身の回りにあり、目にみえて肌で触れられるものが多くなります。

たとえば百貨店とかですかね。自分が実際に足を運びみることができ、月次などの業績もみて判断できるものに投資しようとなります。

——運用の額が変化すると投資先も変わっていくと思うのですが、20代の頃から今に至るまでの間に投資先は変わりましたか?

杉原:大きく変わっていきました。昔は資金を増やしていきたいという願望が強く、ベンチャーなどの新興企業へ投資することが多かったです。急成長するような企業を見極めて投資をしていました。成熟した会社よりもこれから10倍、20倍に成長するような会社を探していましたね。そういう会社の株をこまめに売買していました。

今は年齢的にも落ち着いてきたので、高配当をもらえるような会社に投資をすることも多くなりました。資金を預けて、定期的に配当をもらえるような会社です。そういった形で投資先の比重は変わってきています。

——優待目的で株を買う人もいます。杉原さんも優待目的で株を買うようなことはありますか?

杉原:私自身、優待を目的として株を買うことはあります。特に美容系が多いですかね。美顔器や美容サービスのチケットがもらえたりするので買ったりしますね。


杉原杏璃の投資の心得

——杉原さんが好きな投資の格言や座右の銘はありますか?エピソードもあわせて教えてください。

杉原:株の格言で、これだけは頭に叩き込んでいるといったものがあります。定番ではありますが、「頭と尻尾はくれてやれ」です。株式投資はこれがすべてなのではないかと思い、運用しながら常に心がけていますね。

人間は本来、欲張りなんです。深追いして、「もう少し、もう少し利益が欲しい」「まだまだいける」と思ってしまう。

でも天井も底も、どこまで続くかわかりません。特に天井からの暴落はよくあることで、深追いすると失敗することも多いです。なので、私は真ん中のおいしいところだけを少しずつでもいただくことが1番望ましいと思いますね。

投資をしているとアドレナリンが出て興奮状態になる時が多かったりします。その時、どうやって感情をコントロールしているのかなと考えていました。そんな時にネットを通じていろいろな格言を調べていると、みなさんそれぞれ格言をもとに感情をコントロールしているんだなということを知りました。

そこで私は「頭と尻尾はくれてやれ」という格言が1番自分にあっているなと思い大切にしています。ほかの格言もノートにまとめたりしていますね。ノートに関連すると、「株ノート」のようなものは投資を始めた当初から書き溜めています。

——アドレナリンが出てどうしても深追いしてしまいそうになった時、心を落ち着かせるために実践していることなどはありますか?

杉原:私はアドレナリンが出る時、「ポジポジ病」になってしまいがち。買う必要がないのに買ったり、売る必要がないのに売ったり。とにかく自分のポジションを持たないといけないような感情に陥ることが時にはあります。

そういう時は1度スマートフォンを閉じます。そこで落ち着く時間を作るんですね。それで10分閉じてみて、それでもやっぱり買いたい、売りたいという相場であったら取引をする感じです。投資をする上で心を落ち着かせて冷静になることは何よりも大切だなと思います。

——20代に投資をしていた時と今の投資環境は資産の面も含め違うと思います。それを踏まえ、順調に運用を進めた未来で叶えたいことはありますか?

杉原:先程お話ししたシェアハウスもそうですが、今オンラインサロンをやらせてもらい、受講生のみなさんとコミュニケーションをとっています。やっぱりコミュニ ティを欲している自分がいますね。今は小規模でやっていますが、もっと多くの方に参加してもらいたいなと思っています。

特に女性の方に参加していただけたら嬉しいですね。女性が働く時代になってきたということもあり、投資に興味を持つ方も一定数いらっしゃると思いますので。女性は整理整頓が得意だし、減らさないことへの頭の使い方は上手だと思うのですが、増やすことに対して頭を使う人はまだまだ少ない。

お金を使うことについては女性の方が比較的堅実だと思いますので、もっともっと投資を通じて資産を増やすことに目を向けてもらえたら嬉しいです。私もそういった方が増えるように貢献したいですし、今のコミュニティをそういう方向に持っていけたらと考えています。

——女性に向いている投資方法や考え方を教えてください。

杉原:女性は全般的にコツコツ型が向いているのかなと思います。日々の家事や育児など、やらなければならないことがたくさんあるでしょう。ですので、投資信託のような積立で少しずつ利益が出せるような、時間軸でいえば10年スパンで利益を積み上げていく投資商品があっているような気がしますね。

来年から新NISAも始まります。せっかく国が非課税の制度を作って、それを拡充してくれたのですから、利用しない手はないでしょう。そういうシステムはしっかりと使うべきですね。今はみなさん貯金をすることが当たり前になっているかと思いますが、今後は投資することが当たり前の時代になってくると思います。


マルチな活躍の裏には大胆さと堅実さの共存

——最後に読者の皆さんへ一言お願いします。

杉原:私でいえばタレント業をしながらですが、事業を営みながらでも投資はできるものです。一部のお金持ちの人だけが投資を行うということは間違いで、誰でも投資ができる時代を迎えています。今は100円からでも投資ができます。ですので、ぜひ投資というものへチャレンジしていただければと思います。

自分でもできるんだぞ、と前向きになってもらえたら嬉しいですね。



the book


『株は夢をかなえる道具 女子のための株式投資入門』
「株タレント」として雑誌やバラエティ番組で活躍しながら、実業家としての顔も持つ杉原杏璃。23歳のとき30万円で始めて、5年目で資産は1,000万円に。これまでの投資経験やノウハウ、投資を通して手に入れた自分らしい生き方が綴られた本書はロングセラーに。




『お金に働いてもらう!ほったらかし投資』
杉原杏璃が教える「投資で人生を変える方法」。成人年齢の引き下げで、18歳でも親の同意なしで証券口座を開き、投資ができるようになった。貯金ゼロ、知識ゼロでも放置しておくだけで、じわじわと資産が増えることにフォーカスした初心者必見の一冊。



『マンガでよくわかる 株1年生~億り人杉原杏璃と一緒に~』
「株式投資」をマンガでやさしく教えてくれる一冊。知識ゼロから5年目で資産1,000万を実現した手法や杉原杏璃おすすめ銘柄、投資における過去の失敗談も赤裸々に綴られた一冊。



Profile

杉原 杏璃(Anri Sugihara)
グラビアアイドルとして雑誌やテレビ番組で活躍しながら、ソフト補正下着のブランドを立ち上げ、実業家としての顔も持つ。23歳の時に30万円で投資を始めて、5年間で資産1,000万円を達成し、現在は億り人に。初著書『株は夢をかなえる道具』は、株式投資の始め方や売買手法、投資を通して手に入れた自分らしい生き方を綴り、ロングセラー。『マンガでよくわかる株1年生』ではAmazonランキング証券・金融部門第1位獲得。株投資、不動産関連のイベントやセミナーにも多数出演。


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