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2024年投資黄金時代に備える 注目のキーワード4選

Iolite 編集部
2023/11/29

投資先として注目の4つのキーワード

2024年から始まる新NISAの影響もあり、貯金から投資へと人々の関心は移りつつある。

各証券会社もこの機にさまざまなキャンペーンを通して、投資環境をより良いものにすることに注力し、これまでよりも一層、投資に関する環境は開かれ馴染みのあるものに移り変わっていくことが予想される。

本記事では、Ioliteが厳選した2024年さらに注目を集める4つのキーワードの現状と今後をみていこう。

金(ゴールド)

2023年8月下旬に、過去最高となる1グラム10,000円を突破した金価格。 安全資産として圧倒的な信頼を誇るが2024年の動向は? 

1グラム10,000円を超えた金 円安やインフレでさらに上昇?

円建て・米ドル建てともに価格が上昇し、8月下旬には店頭価格で1グラム10,000円と過去最高値に達した金価格。その後も状況は変わらず11月上旬も10,500円近辺で推移している。

背景としてあげられるのは、値上がりし続けるNY市場金相場や円安など。地政学リスクが関係しているのはいうまでもない。

2020年に始まったコロナ禍や一向に沈静化しないロシア・ウクライナ問題など世界的な混乱が続くなか「有事の金」として、買われてきた。

これにインフレや円安が加わり、2022年に入ると国内公表価格は1グラム8,000円を突破。同年3月には当時史上最高値の8,860円を記録することに。

以降も右肩上がりを継続し今年3月には9,000円台に入り、いよいよ10,000円超えという現状に至った。

ただし、海外のドル建て価格は今年4月の2,000ドルをピークに下落に転じ、直近では1,900ドル台。対して円建ての価格が上昇し続けたのは円安が関係している。

いわずもがな、米国の利上げによる日米金利差が背景にあるが、 米国の金融政策に変化があり円安が収まらない限り金価格の高騰も止まりそうにない。 

地政学リスクや経済不安がある限り、金への依存は続くだろう。ロシア・ウクライナの状況は依然として変わらず、資源高を招いている。10月に勃発したパレスチナ問題も、今後どうなるか。

収束に向かわない限り、安全資産である金への需要は高いまま維持するだろう。

2023年には米国で銀行破綻が起き、金融システムに不安が生じたが、こうした不安も資産を金に向かわせる要因だ。

また、各国中央銀行は保有資産の集中リスクを回避するために外貨準備の種類を広げており、金もその施策の1つとして活用されている。

発行国の信用力に左右される法定通貨ではなく、グローバルで揺るがない価値を持つ金の購入が加速したことで価格は上がり、今後も状況は継続するとみられる。

実需面でも金へのニーズは根強いどころか、ますます高まっている。金は宝飾品や投資以外に工業利用されており、近年は半導体など電子機器関連で使われるシーンも増えている。

一方、あらたな金鉱山の開拓は進んでおらず、世界の年間金産出量は横ばいの状態。供給が追い付かず、価格が上昇するのは当然の成り行きといえる。

こうしたことから、金価格がさらに上昇する可能性も考えられる。日本でも金投資への注目はより高まるのではないだろうか。 


アクティブ運用型ETF

近年はNISAやiDeCoの投資対象として人気の高い投資信託・ETF。 これまで日本にはインデックス型しかなかったが、 アクティブ型が解禁された。 

指標などに縛られることのないアクティブETFに注目! 

2023年6月29日、日本取引所グループ(JPX) は東証におけるアクティブ運用型ETF(アクティ ブETF)の上場を解禁。

9月27日に初上場し、現在は中長期的に高いROE(自己資本利益率)が期待できる銘柄などに投資する「NEXT FUN DS 日本成長株アクティブETF(2083)投信」など複数商品の取引が始まっている。

これまで日本では、日経平均株価やTOPIXなど何らかの指標に連動するように運用されるインデックス型のETFしか上場していなかったが、今回の施策により指標に縛られることなく、運用会社やファンドマネージャーの運用方針に沿ったETFが運用できるようになった。

先にあげた以外にもPBR(価格純資産倍率)1倍割れ改善要請、国内高配当銘柄など、独自のテーマを掲げるアクティブETFがお目みえしている。 

アクティブETF は、アクティブファンドに比べると信託報酬が低い傾向にあり、保有銘柄などの情報に関しては開示義務があることから、運用の透明性が担保されている。

投資家にとって選択肢が広がるので、多様な投資ができるのも魅力的だ。インデックスETFが主流ななか、まだメジャーな存在とはいえないが、今後商品数が拡充されることで注目度は高まるだろう。

個別株だと自信はないが、インデックスより投資妙味を味わいたいという層にとって、アクティブETFはユニークな金融商品になるに違いない。


オルタナティブ

現在は株式など伝統的な資産以外に、 FXなどを通じて多様な投資にトライできる。2024年に有望なジャンルは? 

FXや不動産、オルタナティブ— 2024年の注目投資ジャンルは? 

2024年に入ると、新NISAがスタートする。現行に比べると柔軟な制度になっているので、個別株や投資信託に興味を持つ人が増えることが予想される。

少額でも買いやすくなるため、株式分割を実施する銘柄も目立つ。高配当株も注目されることになるだろう。

11月上旬時点で1ドル=151円台と円安局面が続いている。米国や日本の政策金利が変わらない限り、円売りは継続するだろう。

スワップポイント狙いのFXなら米ドルを始めとする高金利通貨への投資はおいしいかもしれない。また、金融政策の変更などで、あらたなトレンドが発生した場合も売買益を得るチャンスだ。

なお、都市部を中心にマンション価格の高騰も続いており、円安の影響もあってか外国人富裕層の物色も期待できる。物件価格が高いと融資付けや利回り面での不安はあるがキャピタルゲインを狙う手はある。

手元キャッシュが少ないなら不動産投資クラウドファンディングやREIT(リート)などにトライする手もある。しっかり状況を見極め勝算の高いジャンルにチャレンジしたい。


ビットコイン


2023年は堅調に推移したビットコイン価格。 11月上旬時点で年初来高値の554万円台を付けているが、はたして来年はどうなるのか? 

ビットコイン価格が年初来高値更新中 2024年は2,500万円超の予想も? 


2022年には、暗号資産取引所FTX や暗号資産テラUSDの開発団体である、テラフォームラボの経営破綻など業界に暗雲が立ち込めていたが、2023年に入り状況は沈静化。

3月には米シリコンバレー銀行とシグネチャーバンクが破綻し、スイスの金融大手、クレディ・スイスも経営不安に陥り、同国投資銀行UBSに買収された。

リーマン・ショック以来、最大規模の金融不安はいうまでもなく、世界的な利上げやインフレも影響し、退避資産としてビットコインが注目され価格を押し上げた。

夏以降の上昇は米国でのビットコイン現物ETFのトピックも関係している。11月時点で12の投資会社がSEC(米証券取引委員会)にビットコイン現物ETFを申請しており、承認への期待が上昇を招いたと考えるのが妥当だ。

実際に承認されることでビットコインへの需要は高まり、さらなる価格の押し上げ要因になるだろう。 

イスラエル・ハマス戦争はどう影響したのだろうか。現地時間10月7日に、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するハマスがイスラエルを奇襲攻撃。

イスラエル側は報復に動いたと報道されたが、リスク資産に対する投資家の信頼が崩れたことで、ビットコインは一時価格を下げることに。

金や原油に資産がシフトしたことなどが原因と考えられる。しかし、先述したビットコイン現物ETFへの期待は非常に大きく、結果としてビットコインの価格は上昇した。

気になる今後だが調査会社ファンドストラットが7月に発表したレポートによると、2020年4月に予定されている半減期を前に、ビットコインの価格は18万ドル(2,520万円)に達する可能性があるという。

釈迦に説法だが、半減期とはマイニング時の報酬として得られる暗号資産が半分になること。

過去2012年11月と2016年7月、2020年5月に約四年周期で起きているが、その度にビットコインの価格は大きく上昇した。次回も同様の値動きが起こる可能性が高いとみられている。

またファンドストラットによると、ビットコインの1日の重要とマイニング報酬は約2,500万ドルで同等だが、半減期で報酬が減ると、買い手と売り手の均衡を満たすためにビットコイン価格が大幅に上昇しなければならないという。

カギとなるのは、米大手投資会社ブラックロックが申請中のビットコイン現物ETFで、これが承認されると1日の需要は1億2,500万ドルに達し、半減期前の価格は14万ドル~18万ドル(約1,960万円から約2,500万円)に達する可能性があると試算している。

半減期とビットコイン現物ETF、これら2つの要因が重なり、2024年の市場さらに盛り上がりをみせそうだ。



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