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編集後記vol6
Web3.0
金融・経済

blossom「持っているのは意味ではなく未来」——Iolite vol.6 編集後記

Noriaki Yagi
2024/02/04

Editor’s Note
「持っているのは意味ではなく未来」

まずは、年始の地震により被災されたすべての方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
被災地の方々が一日も早く、安心して日常を取り戻せるよう心より願っております。

2023年は終わり、あらたな年を迎えたものの、心の痛む出来事を目にして、いたたまれない感情と折り合いをつけて、日々を過ごすことが難しい年の始まりであった。初詣ではご縁をいただいた方々の健康を祈ることが習慣になっているが、被災地に1日も早く日常が戻るようにと願った。

年明け早々に手帳に指針となる言葉と目標を書き綴る。

昨年の手帳に書いた「実るほど頭を垂れる稲穂かな」に、今年は「花を買うのは花が好きな人だろうか?」を付け足した。モノが人の手に渡った先にある出来事まで、慮ったモノ作りをしたいという想いを忘れないようにという意味を込めて綴ったものである。

これは一度レターを通して発信したことがある話ではあるが、モノ作りで込められた真心を感じる出来事だったので続けたい。

編集部員がGODIVAのチョコレートクッキーをくれた。気付けば、小麦抜きダイエットをしていることを忘れて口にしていた。そんな衝動を駆り立てるGODIVAのブランド力に関心を持ってパッケージを眺める。どこか品格を感じるサイズに、中身がみえる透明なパッケージ。中央にはGODIVAのロゴが大きめに印字されていた。

ふと、パッケージの切り口が普段みるような幅にないことが気になった。袋の端から2mmほどだろうか。男性なら指先をすぼめるようにして切らないと、開けられないくらい端にあった。真相はまったくわからず想像でしかないが、パッケージの中央にあるGODIVAのロゴが切れないように、あえて利便性を犠牲にしたGODIVAのこだわりなのではないかと思う。

より便利に、より効率良く、より多くのものを。それも人々にとっては素晴らしいことだろう。一方でブランドには時に引き算を含んだバランス感覚があると確信した瞬間だった。

友人にその事を話すと、人形町の100年続く人形焼屋の話をしてくれた。その人形焼は七福神を模して作られているが、どうやら6人の神様を模した型しかないようなのだ。人形焼を食べたお客様が、7人目の神様のように穏やかな笑顔になるように、と思いを込めたこだわりのようだ。

この話は聞いた話であるため、寓話のようなものだと思ってほしい。

私たちIoliteにできることは、情報媒体を通して社会に貢献することだろう。コミュニケーションに関する研究を行っていたアメリカの学者・ウィルバー・シュラム氏は、メディアの機能を「見張り・討論・教師」の3つにわけたとされている。

世の中で起こる出来事を発信し、大衆は各々感情や意見を持つ。討論によって意見は整理され、世論が形成されていく。そしてさまざまな学びが整理され後世に受け継がれる。メディアの原点について考えをめぐらせて、社会にとって重要な役割を持っていることを再認識した。

現代ではソーシャルメディアの発展でこの“討論”の部分は強化され、極めて高い代謝とコントロールできないほどのエネルギーを持っているようにみえる。過去にSNSの運用を生業としていたからこそ、個人的にはSNSの恐ろしさを知っているつもりだ。

時に目にすることが辛くなり、遠ざかりたくなる感情を抱く人も少なくないだろう。放たれた言葉は議論・討論の対象となり、独り歩きは加速する。

ビジネスの世界では、非常に小さな出来事が、最終的に予想もしていなかったような大きな出来事につながるという意味で「バタフライエフェクト」という言葉が使われることがある。

言葉を使う職業だからこそ、あなたが放った言葉の先にある物語に想いを寄せてほしいと切に願う。

「花を買うのは花が好きな人だろうか?」



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