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Web3.0
NFT
暗号資産

研究・開発でWeb3.0の裾野を広げる │ 田原弘貴インタビュー

Iolite 編集部
2023/03/29

Web3.0×Development

豊富なブロックチェーンの知見が武器
研究・開発でWeb3.0の裾野を広げる

今年はエンタメとファイナンスが融合したGameFiが重要なポイント。SBIとも提携しユーザビリティに焦点を当てた取り組みを進める。

日本のWeb3.0を成長させていく上では、規制や税制面での課題をクリアする必要がある。また業界を成熟させる上ではユーザーの参入が必要不可欠となるが、ウォレットに関するハードルや暗号資産等への抵抗感は依然として大きく残っている状況だ。

ブロックチェーン開発や研究を行うチューリンガムではこれまでの知見とテクノロジーを駆使し、Web3.0社会の発展に取り組む。

そしてその要となっているのが田原弘貴氏だ。CTOとして、チューリンガムの事業を支える。

業界の中心で最先端のインフラを手がける田原氏に、今注目している領域、そしてWeb3.0業界が成長していく上で重要な要素について語ってもらった。


GameFiの普及に必要な要素
ユーザーが目的に応じてウォレットを選択できる環境が重要

田原:2019、2020年は業界内で『BUIDL』というワードが流行りました。『BUILD』の綴りミスが先行したもので、暗号資産を持つのではなく、開発しようというものです。今年も同じように、着実に準備をするWeb3.0事業者が粛々と開発を進める年になると思います。まず今年はGameFiに大きく注目しています。今年はエンタメとファイナンスが融合したGameFiが、ユーザーの裾野を広げていく上で重要なポイントになると考えています。日本はそのビジョンにおいて大きなアドバンテージを持つ国です。また、昨年のFTXに代表される暗号資産市場の崩壊に関しても、日本のWeb3.0はまだ発展途上でしたので逆にダメージを受けずに済みました。

こうした状況を踏まえれば、大手ゲーム企業もこれから参入してきますので、特に日本市場は元気になっていくのではないかと思います。

GameFiもそうですが、エンタメ業界からの新規参入は非常に重要で、ウォレットはその基幹となるインフラです。一概にウォレットといってもさまざまなタイプがありますので、ユーザーが選ぶ上でその選択肢が増えていくことが大切です。

すでに暗号資産やNFTに触れているユーザー向けにメタマスクなどの自己管理型ウォレットを増やしていくこと、反対に慣れていない方をサポートするためにSBI VCトレード様が提供する『SBI Web3ウォレット』のような事業者管理型ウォレットがもっと登場する必要性があります。

さらには、もっとカジュアルに利用してもらうためにソーシャルログイン型ウォレットであるとか、 UIの高いアプリ内蔵型ウォレット、さらに将来的にはAccount AbstractionやContract型ウォレットの需要も高まると思います。

このように、目的に応じてユーザーがウォレットを選択できる世界がWeb3.0の裾野を広げていく上で重要になります。

チューリンガムはDeFi、ファイナンス系の研究開発を強みとする会社です。今の日本市場は世界のスタンダードについて行けていない状況です。

特にGameFiではファイナンスやトークン、NFTを展開していく部分に関して知見がない事業者さんが多い状況だと思っています。海外で成功したプロジェクトのシステムを真似しただけだとか、日本という地域性を活かせていないプロジェクトが多い印象ですね。

我々は前回のバブル前からDeFiのプレイヤーとして設計、開発をし、ブロックチェーン領域の知見を培ってきました。

その知見を活かし、国内でユーザーの裾野を広げていくようなプレイヤーさんとタッグを組むことで、世界に通用するようなGameFiやそれに類似するプロジェクトを作っていきたいと思います。



Profile

田原 弘貴
東京大学文科一類入学後、在学中に中小企業診断士に合格。東京大学大学院学際情報学部在籍中にTuringum株式会社を設立。ブロックチェーンエンジニア及びリサーチャーとして技術部門を統括。親会社クシム取締役CTOを兼務。



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