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「WEB3 BIZDEV SUMMIT -BLUE- 3」イベントレポート

Iolite 編集部
2023/06/18

Web3.0の今と可能性、楽しさを知る

Web3.0のBizDev(事業開発)に特化したイベント「WEB3 BIZDEV SUMMIT -BLUE- 3」が18日、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京で開催された。


Web3.0という言葉・領域への注目度が高まっていくなか、官民一体で取り組んでいく姿勢も一層強まっている。

業界への参入者も徐々に増えているが、それでもやはりまだ人材不足に悩まされる企業・プロジェクトが多いのも事実。参入者がなかなか伸びない背景には、領域特有の複雑さやビジネスの実態がつかみにくい点、そもそもWeb3.0のイメージ像が定まっていないことなどがあげられる。

本イベントは、Web3.0について学ぶ、触れる、交流する機会を作ることを目的として、経済産業省などが支援するJapan Blockchain Week 2023のオフィシャルイベントとして株式会社RainbowChainが主催し開催された。

昨年9月に第1回となるWEB3 BIZDEV SUMMIT -BLUE-をDMM本社で開催し、同年12月には第2回が実施されている。


さまざまな観点からWeb3.0という領域をみる

▶︎登壇企業・プロジェクト

第3回となる今回は、実際にWeb3.0関連の事業を行っている企業やプロジェクトに焦点を当て、そのビジネスや取り組みについて触れる場となった。さまざまな観点からWeb3.0という領域をみることで、その面白さに気づいてもらうことが目的だ。

国内外から12の企業やプロジェクトが招聘され、日々Web3.0業界の最前線で活躍するBizdevのリーダー達が登壇。特別ゲストとして、AIアートで国内屈指の実績を誇り、画像生成AI開発等を手がけるAiHUBでも活動するTASUKU2023氏も登壇者として登場した。

イベントはピッチ開始前から多くの人で賑わいをみせていた。各々が自分のタイミングでピッチを聞いたり、交流を行える自由度の高さも参加者の満足度向上につながったと感じる。


大手取引所としてIEOに注力、全世界注目のプロジェクトとしてUBIに焦点

▶︎RainbowChain・雨弓氏

▶︎bitFlyer・大和氏

▶Worldcoin・0xYuzu氏

オープニングでは、主催者であるRainbow Chain代表の雨弓氏が挨拶。その言葉からは、Web3.0という領域の楽しさを感じてもらいたいという想いが伝わってきた。

その後、bitFlyerのグループ事業戦略部副部長の大和省悟氏、ChatGPTの開発企業として注目を集めるOpenAIの共同創業者兼CEOであるサム・アルトマン氏らが創立したWorldcoinより0xYuzu氏が登壇した。

大和氏はWeb3.0領域における日本のグローバルに対する影響力について触れ、さらなる飛躍につなげるべく、bitFlyerとしてIEOに注力していくという姿勢がうかがえた。また、0xYuzu氏は AIが多くの仕事を代替する可能性があるとし、その上でUBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)は重要視されるものとなり得るとの見方を示した。Worldcoinでは、こうしたUBIの資金につなげるべく、取り組みを進めていく構えだ。


より精密になっていくブロックチェーンとAIアートの世界

▶︎TASUKU2023氏

続くピッチでは、アバランチブロックチェーンを開発するAva Labsの日本コミュニティよりharuchi氏、国内発のゲーム特化型ブロックチェーンであるオアシスのYasu氏が登壇し、それぞれプロジェクトの現状や役割について説明。

5番目に登壇したZipangcoinの辰巳喜宣氏は、金に連動したステーブルコインである同通貨について、中長期的な展望を描いていることに触れ、今後はさまざまな現物資産と連動したトークンを社としてリリースしていく姿勢をみせた。

その後、SBINFTよりSBTの証明書としての活用事例、YGG Japanより現状のブロックチェーンゲームやWeb3.0においてはファイナンスが優先されているといった諸課題について、さらにPBADAOより「Web3.0のマス化」を進めるためにウォレットの参入障壁を下げる必要があるなどの話が展開された。

AIアート特別枠としてTASUKU2023氏が登壇すると、会場の盛り上がりが一層増したように感じられた。

同氏はアジア系女性のイラストを得意とする生成AI・ChilloutMixについて語り、AIアートの作成シーンをリアルタイムで公開した。的確にプロンプトを入力することで生成された美少女アートをみた参加者からは、そのクオリティの高さから感心する様子もうかがえた。


9兆円の市場規模を誇るアート領域の成長株「デジタルアート」

▶︎GASHO2.0・あき氏

イベントも後半に差しかかり、続いて分散型ソーシャルグラフプロトコル・Relationの取り組みについてNORIFORCEのNORI氏が説明。今年の夏が「Web3ソーシャルサマー」と位置付けられていることに関連し、同プロジェクトによって解決できる課題等について語った。

次に登壇したCoinPostの青木誠氏は同社のメディア事業や今夏に開催される大型カンファレンス「WebX」などについて説明し、続くsynschismoの飯泉一馬氏は自社のNFT認証やレンタルマーケットプレイス等のサービスを例に現状のNFT業界が抱える課題について解説した。

最後のピッチではGASHO2.0を代表してNFT YouTuberとしても活躍する、あき氏が登壇。

ピッチではアートの市場規模に言及。コロナ禍に成長したフードデリバリーの市場規模が8兆円であるのに対し、アートの市場規模は9兆円だと指摘した。そのなかでもデジタルアートは成長著しい分野だとし、さらに日本には価値あるクリエイティブIPが眠っているとして、有効活用していく必要性を訴えた。

また、アート業界そのものが堅く古い体質であるため、あらたな一歩を踏み出すことが難しいが、それをWeb3.0の技術で打破していくと意気込みを語った。


Web3.0領域の今と可能性を知る場所

ピッチ終了後は交流会が行われ、登壇者や参加者が各々にコミュニケーションを図るシーンが至る所で見受けられた。あわせて、出展ブースにて改めて話を熱心に聞き込む姿がみられたのも印象的だ。

本イベントはWeb3.0領域のビジネスについて、さまざまな企業・プロジェクトがどのような取り組みを行っているのか網羅的に把握できるものであった。また、ピッチの時間が限られているなかで各登壇者が的確に要点を説明していたため、Web3.0に馴染みのない参加者でもわかりやすく聞きやすい設計であったと感じた。

新興分野の発展にはあらたな参入者の存在が極めて重要となる。まずは既存の業界参加者がその入り口をしっかりと広げていき、こうしたイベントを通じて楽しさや将来性について知ってもらうことが未来につながっていく。

総じて、今回のイベントはWeb3.0領域の今と秘めたる可能性に触れることができた有意義なものであったのではないだろうか。

画像:Iolite



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