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NFT

「QYSコイン」のIEOを始め、ブロックチェーン事業から撤退したモバイルファクトリー

Iolite 編集部
2024/06/09

モバイルファクトリーは2024年3月31日をもってブロックチェーン事業から撤退することを発表

位置情報連動型ゲームの開発を行うほか、ブロックチェーン事業として、NFT販売・生成マーケット「ユニマ」やブロックチェーン関連サービス「駅メモ! Our Rails」のなかでNFT機能などを提供していたITサービス企業のモバイルファクトリーは、2024年3月31日をもってブロックチェーン事業から撤退している。

ユニマがサービス終了後、駅メモ! Our Railsに搭載を計画していたP2E(Play to Earn)機能「シャボンシステム」の開発も中止されている。

事業撤退の理由として、モバイルファクトリー子会社Suishow提供の位置情報SNS「NauNau(ナウナウ)」に関する報道が発端となったとしている。これは「NauNau」において一時的に少なくとも200万人以上のユーザーの位置情報やチャットなどが外部から閲覧可能な状態が生じていたというものだ。

この報道に対してモバイルファクトリーは事実調査を行い、調査範囲において個人情報漏洩の事実は確認されなかったとしたが、現在に至るまでサービス再開には至っていない。

その一方で、モバイルファクトリーは「次世代のエンターテインメント市場を形成すること」を発行目的に昨年10月に国内暗号資産取引所GMOコインにて「QYSコイン」のIEOを進めることを発表している。「QYSコイン」のIEOを目指す上で「NauNau」を含めた同社グループのサービス利用者数や経済圏を広げていくことが重要であると説明していた。

しかし、NauNauの情報漏洩報道により、モバイルファクトリーは当初計画していた利用者数の増加や経済圏の拡大は難しいと判断。NFT事業を不採算事業と位置付け、同事業から撤退することとなったようだ。また、この経営判断により、GMOコインへもIEO取り下げの申し出を行うとした。

今後のモバイルファクトリーの方針として『駅メモ!』に経営資源を集中すると発表している。また、市場的にはこの経営方針は好意的にみられている。

一見すると情報漏洩報道が発端となり経営方針の転換を行ったかにみえるモバイルファクトリーだが、一部のアナリストによると、情報漏洩報道以前に2021年12月期において『駅メモ! Our Rails』は当初の計画に見合った収益が得られていなかったと指摘する。

また、先行投資という位置付けだったブロックチェーン事業は当然のことながら利益が出ておらず、直近においても、四半期で6,000万円前後、1年で2億5,000万円の赤字を出していることから、モバイルファクトリーのブロックチェーン事業は出足から躓いていたのではないかとの指摘もある。

そういった理由からモバイルファクトリーのブロックチェーン事業からの撤退は既定路線だったのではないかとの指摘も見受けられるが、現段階ではいずれも憶測に過ぎず、プレスリリース通りに『駅メモ!』に経営資源を集中するという方針を静観する必要があるだろう。

Almost

ゲームストップも暗号資産業界から撤退

ゲームストップのNFTマーケットプレイスは、2022年のハロウィンの時期に正式に立ち上げられた。

同プラットフォームはゲーム資産に焦点を当て、イーサリアム(ETH)のレイヤー2ブロックチェーンソリューションであるイミュータブルXと提携していたが、暗号資産業界における長引く規制上の不確実性を理由にNFTマーケットプレイス閉鎖を決定し、暗号資産業界からの撤退を示唆している。


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