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AI × ステーブルコインで加速するJPYC構想 AIとの融合の先に何を見据えるのか——岡部典孝インタビュー

2026/03/30 10:00(2026/05/29 12:53 更新)

Iolite 編集部

文:Noriaki Yagi

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AI × ステーブルコインで加速するJPYC構想 AIとの融合の先に何を見据えるのか——岡部典孝インタビュー
目次
  1. JPYCの未来を左右する2つの焦点
  2. AIエージェント決済の進化は想定速度を凌駕している
  3. 国際市場におけるJPYCの役割と日本の規制環境の強み
  4. Web3.0・AI時代における金融の再定義と日本の立ち位置

JPYCの未来を左右する2つの焦点

サマリ

1.JPYCの成長は「普及拡大」と「AIとの融合」がカギ

2026年はJPYCにとって重要な年であり、利用範囲の拡大とAIエージェントとの連携が成長の分岐点となる。特にステーブルFXやLINE連携などにより、決済・金融インフラとしての存在感強化が期待されている。

2.AIエージェント決済の進化が市場構造を大きく変える可能性

AI同士がウォレットを持ち自律的に取引する未来が現実味を帯びており、取引量・市場規模は飛躍的に拡大する見通しである。人間よりAIが多く活動する経済圏の到来が示唆されている。

3.日本の規制は強みと課題が共存、JPYCは国際分散通貨としての役割も

安定した法制度や会計ルールは競争優位となる一方、上限規制などは成長の制約となっている。JPYCはドル依存の分散や円キャリー需要など国際的な役割も担い、将来的には金融・経済構造の変化に寄与する可能性がある。


──JPYCにとって2026年はどのような1年になると位置づけていますか?

岡部典孝(以下、岡部):この1年は極めて重要です。焦点は「JPYCがどこまで広がるか」と「AIエージェントなど最新技術との融合がどこまで進むか」の2点。この動き次第でJPYCの日本におけるポジションも大きく変わるでしょう。

──昨年、日本初のステーブルコインとしてJPYCをローンチされました。実際に発行してみてご自身の手応えとしてはいかがですか?

岡部:概ね想定通りです。しかし、サービスの立ち上がりは想定以上に速い。半年~1年を見込んだものが数日~1ヵ月で出てきています。AIとの融合も予想以上です。一方、想定外はオフランプ※1 利用の多さ。市場低調の影響もあり、USDCなどを日本円に戻す目的でJPYCが使われています。JPYCからクリプトに入る層はオンランプ用途が中心です。

──そのような状況がみえてきたなかで、今年における最も重要なプロジェクトはどういったものでしょうか?

岡部:あえてあげるとするならば「ステーブルFX」です。JPYCは日本円代表として選定されています。正式ローンチと流動性拡大がカギですね。従来FXはT+2決済でリスクを抱えていましたが、オンチェーンならほぼ即時決済で資金効率と安全性が向上します。取引増加の好循環を期待しています。

──現在JPYCはどのような場面で利用が進んでいるのでしょうか?

岡部:現在、JPYCは1日数億円規模で取引されています。取引の中心は再販を含むスワップとDeFi用途です。最近は「Morpho」などのレンディングプロトコルでも利用可能になり、また、実店舗での利用も徐々にですが拡大しています。農家さんからお米を直接購入する場合、喫茶店、美容室など個人経営店で導入が進んでいます。

──個人店でクリプト決済ですか。

岡部:むしろ規模が大きいと社内の意思決裁の問題で時間がかかりますし、系列店すべてのPOSシステムの改修も必要ですから。ですが、小規模店なら店長さんの判断だけで導入ができます。経営者の方のITリテラシーが高ければ、即導入可能です。なので、JPYCの普及は、末端からのボトムアップ型になると考えています。

インフラの面もHashPort様などが、使いやすいUXを用意してくれています。ガス代無料のウォレットの登場や、二次元バーコード決済に対応したこと、JPYCでキャッシュバックを受け取れるクレジットカードが登場したことなどで、一般利用の下地が整いつつあると思います。ステーブルコインはDeFi先行でしたが、リアル決済を拡大していく下地が整ったと思います。

※1:暗号資産を法定通貨や商品・サービスへ換金して使える形にするプロセス。換金せずに使用するとオンランプ

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