──現在の暗号資産の市況について、どのようにみていますか?
藤原崇亮(以下、藤原):市況だけをみると、我々交換業者は相場にかなり左右されてしまう側面があるため、厳しい状況であることは間違いありません。
一方で、私はこの業界に8、9年ほどいますが、現在の相場は悲観する状況のなかにも底堅さがあると感じています。今までの停滞期に比べますと、ボトムアップされてきている印象です。
直近の大きな影響としては、米国で議論されているクラリティ法の進捗や、グローバルでの暗号資産ETFの上場があげられます。機関投資家の純流出が最近増えているため、そこに相場が左右されている部分はあるでしょう。
また、米国を始めとする各国の金利についても「いつ下がるのか」という状況が根強く続いています。ビットコイン(BTC)はまだリスク資産に分類されるため、資金が流出してしまうのは一定仕方がない現象です。
とはいえ、昔に比べると価格変動の理由が明確化し、根拠があるという点は評価してよいのではないでしょうか。昔は「どこの取引所で取り扱いが始まった」「大手取引所で何かが発生した」といった、さまざまな動きに影響を受け価格が上下していました。現在上値は重いものの、あたらしい底堅さが出てきている点は、業界全体として評価できるのではないかと考えています。
──暗号資産の市況は決して芳しくありませんが、このような状況でどのような戦略を展開しているのでしょうか?
藤原:CoinTradeは2021年に営業を開始しましたので、同業他社と比べると後発のサービスです。その時点で大手企業がひしめいていたため、口座数を大量に抱えて取引量を増やすというのは現実的な戦略ではありませんでした。そのため、我々は当初から「暗号資産を使った資産運用」を掲げてサービスを展開しています。
国内には「暗号資産を安く買っているけれど価格が上がりそうだから売れない」、あるいは「税金面で売れない」という投資家が一定数います。そうした投資家に向けて提供しているのがステーキングやレンディングといった運用サービスです。こうしたサービスは市況が悪いなかでも一定の需要を集めています。
特にステーキングでは、我々は各プロジェクトとしっかり対話し、独自にノードを立てて参入しています。交換業者としてユーザーの資産をコールドウォレットで安全に保管しながら、ステーキングで報酬を受け取る、という開発体制に強みがあります。ステーキングにはさまざまな手法がありますが、その技術力とノウハウの蓄積に関しては、他社と比較しても高いものであると自負しています。
