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金融・経済暗号資産Web3.0

世界の暗号資産規制Vol 6「ベトナム」

2026/07/30 10:00(2026/09/25 15:26 更新)

Iolite 編集部

文:Iolite 編集部

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世界の暗号資産規制Vol 6「ベトナム」
目次
  1. デジタル技術産業法にもとづく暗号資産の制度化
  2. 国内暗号資産市場の実装に向けたパイロット制度が始動
  3. 暗号資産大国ベトナム、市場整備が加速
  4. 中心となる規制法「決議第05/2025/NQ-CP号」
  5. 「決議第05/2025/NQ-CP号」の詳細
  6. 中小企業の資金調達に暗号資産を担保活用へ

デジタル技術産業法にもとづく暗号資産の制度化

本記事のキーポイント

1.DTI法による暗号資産の制度化
これまで法的位置づけが曖昧だったベトナムの暗号資産市場に、2026年施行のデジタル技術産業法(DTI法)が包括的な制度的枠組みを導入した。暗号資産を法的に定義し、投資家保護と市場の透明性向上を目指す歴史的な転換点である。

2.5年間の試行制度とライセンス導入
政府は決議第05/2025/NQ-CP号により、暗号資産市場の5年間にわたる試行制度を開始した。財務省認可の事業者にのみ取引所運営を許可し、厳密なマネーロンダリング対策や顧客資産の分別管理を義務づけることで、安全な国内取引環境を構築する。

3.資金調達への活用と今後の展望
財務省は中小企業のあらたな資金調達手段として、暗号資産を銀行融資の担保に活用する制度改革を提案した。今後は多数のトレーダーが規制下の国内市場へ移行するかが焦点であり、アジア市場を牽引する先行的な規制モデルの構築が期待されている。


ベトナムでは、暗号資産の保有や取引自体を包括的に禁止する法律は存在しなかった一方、決済手段としての利用は禁止され、その法的性質や規制上の位置づけも明確ではなかった。この法的空白が問題を起こす前に、投資家保護や市場の透明性向上に向けた制度整備の必要性が指摘されてきた。

状況の転換点となったのが、2025年6月14日に国会で可決され、2026年1月1日に施行された「デジタル技術産業法(以下、DTI法)」である。同法は暗号資産を法的に定義し、ベトナム史上初めて包括的な制度的枠組みを導入した。

DTI法は、デジタル技術産業や半導体、AI、デジタル資産などを対象とし、これらの分野の発展を促進することを目的とした法律である。暗号資産を金融分野だけでなく、デジタル技術産業政策の枠組みのなかで位置づける点が特徴といえる。また、AIについても法的枠組みを整備し、その健全な研究開発や利用環境の構築を目指している。

国内暗号資産市場の実装に向けたパイロット制度が始動

もっとも、DTI法は基本的な制度枠組みを示す一方、暗号資産サービスの提供条件やデジタル資産の管理に関する具体的なルールは、政府による下位法令に委ねられている。これを受け、ベトナム政府は2025年9月9日に決議第05/2025/NQ-CP号を公布し、暗号資産市場の5年間の試行制度を開始した。対象には暗号資産の発行・募集、取引市場の運営、関連サービス、国家による監督などが含まれる。

決議では、暗号資産の発行体を一定の要件を満たすベトナム企業とし、発行対象についても実体資産に裏づけられた暗号資産を基本とするなど、条件を設けている。また、マネーロンダリング対策やサイバーセキュリティ、情報開示などについても規定を設け、市場の透明性や投資家保護との両立を図っている。DTI法と下位法令は、デジタル金融の発展を促進しつつ、段階的な制度整備を進める政策アプローチを示したものといえる。

こうした制度整備を背景に、ベトナム財務省は国内の暗号資産市場の整備を進めている。2026年5月には、グエン・ドゥック・チー財務次官が、国内初となるデジタル資産取引プラットフォームの整備に向けた見通しを示し、「第3四半期にもベトナムで暗号資産市場の初の公式な活動が開始される可能性がある」と述べた。

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