地域資源とWeb3.0の融合
広島県では豊かな観光資産や歴史、特産品とWeb3.0技術を掛け合わせ、地域活性化を目指す取り組みが推進されている。デジタル上の特典やNFTを付加価値として提供し、現地への来訪と周遊を強力に促す独自の導線づくりが特徴だ。
多彩なデジタル施策の展開
美術館のデジタルお土産NFTや安芸高田市のデジタル住民票、瀬戸田町のメタバース周遊、神石高原町の地域DAOなど事例は多岐にわたる。さらに酒蔵巡りの相乗りタクシーとNFTを組み合わせるなど、体験型の設計が進む。
持続的な関係人口の創出
一時的な話題づくりにとどまらず、デジタル住民の獲得やファンコミュニティの育成を通じ、持続可能な関係人口の拡大を図る。地域の魅力をテクノロジーで再定義する工夫は、今後の自治体まちづくりの参考となるモデルだ。
広島県は、本州西部の中国地方のほぼ中心に位置し、北部には中国山地、南部には瀬戸内海と約140の島々が広がる。沿岸部は瀬戸内式気候の影響で比較的温暖で降水量が少なく、牡蠣やレモンなどの農水産業が盛んだ。
また、「ものづくり県」としても知られ、重工業から先端産業まで幅広い分野の商品を製造。出荷額は中国・四国地方でトップを誇る。また、「原爆ドーム」と「厳島神社」の2つの世界遺産をはじめ、「ひろしま神楽」などの伝統芸能や、島々を結ぶ海上サイクリングロード「瀬戸内しまなみ海道」など多彩な地域資源に恵まれている。観光や伝統文化、食といった特色とWeb3.0技術を掛け合わせ、地域活性化につなげる取り組みが進んでいる。
メタバースを周遊の入口とする試みも注目されている。尾道市瀬戸田町をモデルにしたバーチャル空間では、観光地の動画や写真を通じて現地を訪れているかのような体験が楽しめる。その後、実際に現地を訪れ、専用のスマートフォンアプリに登録すると、観光スポットを巡るスタンプラリーに参加できる。
コースは、商店街を巡るもの、宿泊施設と美術館を結ぶもの、レンタサイクルで景観を楽しみながら回遊するものの3種類を用意。各コースを完了すると、記念としてNFTデジタルアートを受け取ることができる。

▶レモンやサイクリングなどの豊かな観光資源で知られる尾道市瀬戸田町を舞台に、期間限定のバーチャル空間が登場した。スマートフォンアプリ「瀬戸田めぐり」に登録すると、しおまち商店街や耕三寺博物館など観光スポットを巡る3つのスタンプラリーコースに参加できる。また、スタンプラリーを制覇した参加者には、オリジナルNFTアートもプレゼント。
導入している企業・団体→日本電気株式会社、尾道市役所 瀬戸田支所、一般社団法人尾道観光協会