本記事のキーポイント
1.トラストを軸としたRWA事業
商社の実績と日本の厳格な法令順守により、強固なトラスト(信用)を構築。金(ゴールド)の価格に連動することを目指す国産の暗号資産「ZPG」や個人向けデジタル証券「ALTERNA」を通じ、実体あるリアルRWA(RRWA)の小口化商品を安心感とともに投資家へ提供している。
2.オルタナ信託による製販一体化
「オルタナ信託」の設立で不動産信託を内製化し、仕入れから販売までの完全な製販一体を完了。顧客データの即座な還元と商品組成の大幅なスピードアップを達成した。さらに取引のオンチェーン化を見据えAIを活用した先進的運用も検証する。
3.実体経済と結ぶグローバル展開
税制改正やステーブルコインとの両輪による流動性向上を目指す。技術を意識させないスムーズなUI/UXで心理的ハードルを下げ、信頼できる日本発のRRWAモデルを提示。コンソーシアム参画等を通じ、世界市場の主導権獲得に挑む。
──「実物経済を動かす総合商社」だからこそ提供できるRWAのトークン化領域における独自の価値提供や、現在の具体的な取り組みについて改めてお聞かせください。
和歌伸介(以下、和歌):総合商社といえば金属資源やエネルギーのイメージが強いかもしれませんが、私たちのビジネスユニットは「金融・物流・不動産」関連事業を担い、強みある事業を推進しています。具体的には、コモディティデリバティブを扱うチームは、世界トップ10に継続して名を連ねるほどの実績を重ねてきました。また、日本の不動産アセットマネジメント領域においても、国内初となる物流リートの立ち上げを牽引するなど、確かな歴史を築いてきました。
私たちの最大の特徴は、こうした確固たる事業基盤と各領域の専門性を土台に、ブロックチェーンという最新技術を掛け合わせ、強力なパートナー企業様も巻き込みながらあらたなビジネスを創出していく点にあります。
──市場形成においてカギとなる事業者や、三井物産の視点をお聞かせください。
和歌:RWA事業を成立させるには、結局のところ「トラスト(信用)」が不可欠です。技術や仕組みに対する信用と、提供する組織に対する信用の両面を担保できる強固な座組みを作れば、自然と市場から評価され資金は集まります。だからこそ、高いトラストをともに提供できるパートナー企業様との提携が重要なカギになります。
また私たちは、オンチェーンと最も親和性が高いAIを用いた新規事業開発も並行して進めています。
現在、プリファードネットワークス様と共同で「AIコモディティトレーディング」を検証中です。AIに金や銅など複数商品の最適な売買シグナルを生成させる取り組みで、すでに過去のシミュレーションでは具体的なリターンも確認できています。取引がオンチェーン化されれば、この技術はさらに真価を発揮するはずです。
ただ現状では、売買の戦略判断はAIに任せつつも、リスク管理の観点から実際の執行にはあえて当社のトレーディングチームという「人間の手」を挟んでいます。AIの高度な判断力を活かしつつ、最終的なガバナンスは人間が担保する。それが現時点での私たちのアプローチです。
