「実際のところ、先行きがみえないですね」
近頃、業界内外の関係者と交わす会話でよく聞くフレーズだ。Web3.0業界、大企業を問わず、それぞれの視点から溢れる本音には、隠しきれない哀愁が漂う。
特に暗号資産交換業者からは「想像以上に金商法への対応コストが重くのしかかる」といった声を聞くことが多く、各社はすでに水面下で2027年夏頃の法施行を見据え、収益性の見込めない暗号資産の取り扱いを廃止するなど、“断捨離”を急いでいる。それでもなお、独立系の中小事業者を中心に「自分たちが金商法に対応することは本当に可能なのか?」といった不安は蔓延っており、話を重ねるほど苦心する様子が伝わってくる。
一方、金商法の改正により、参入に向けアクセルを踏む大義名分を得た大企業側が不安視する事情は異なる。
たとえば、ある金融機関は「日本において暗号資産やステーブルコインの関連商品をスケールさせることはできるのか?」といった疑念そのものへ向き合うことから始めていると語った。
暗号資産にしろステーブルコインにしろ、将来性があることはわかっている。しかし、運用や決済など、現状のままで十分事足りている日本という環境で新興資産・決済手段を浸透させることは、国民性も考慮するとハードルが非常に高い。