1.アート表現の本質と他者とのつながり
表現活動は自己完結するものではなく、受け手の感情を揺さぶることで初めて「作品」として完成する。アイドル活動とアート制作に共通するこのプロセスを通じて、非日常と日常の双方から人々の人生に深く寄り添う価値を提示。
2.ブロックチェーン技術を用いたあらたな価値証明
作品の取引にNFTマーケットプレイスを活用し、ブロックチェーンによるデジタル証明書の発行と現物作品の手渡しを組み合わせた。最新テクノロジーと物理的な体験を交差させ、表現者と鑑賞者の間にあらたな信頼とつながりを構築している。
3.アナログとデジタルを融合した未来の展望
今後は油絵特有の物理的な質感と、デジタル上の繊細なデータを掛け合わせたあらたなクリエイティブ表現を目指す。アートやアイドル、美容といった枠組みにとらわれず、多様な領域で自分らしさを発信する表現者への進化を志向する。
息抜きとして描いていた絵が、「作品」として社会に提示される日が来るとは思っていなかった——。東京藝術大学の学生との合作展『雨の日の星空』に油絵を出品したRain Treeの橋本真希が、「まだみぬ星」に向かうプロセスを語る。
──今回、東京藝術大学の皆さんとともに展示を行うことになった、そのきっかけを教えてください。
橋本真希(以下、橋本):もともと、東京藝術大学の学園祭(藝祭)にスタッフさんが足を運んだ時に、藝大生の「あめ」さんという学生アーティストの展示空間がひときわ大きな熱気を帯びていたんです。
来場者一人一人に対して、ご自身が直接「作品の意図や背景にあるストーリー」を言語化して伝えながら鑑賞してもらうスタイルをとっていました。
その場でスタッフさんがお話しさせていただき、クリエイティブに対する熱量を共有するうちに「ぜひ一緒に展示をやろう」と意気投合したんです。その後、あめさんから私にプロジェクトのオファーをいただき、今回のコラボレーションが実現する運びとなりました。
──本展は「まなざし」をテーマに、『雨の日の星空』というタイトルが掲げられています。橋本さんにとって、まだみえない「星」とはどんなものですか?
橋本:私にとって、タイトルにある「星」とは、「まだみぬ未来の自分自身」、あるいは「予測不可能な可能性」の象徴だと思っています。
過去の私にとって、自分が今こうしてアート作品を展示し、このような環境に身を置いていることなど、想像すらしていませんでした。つまり、私のこれまでの道のりは「あらかじめ設計されたレール」ではなく、想像を超えた出会いや挑戦という“プロセス”の連続によって築かれてきたものです。
だからこそ、これからも今の自分では到底思い描けないような未知の領域に挑み続けていきたいです。その「未知なる可能性」そのものが、私にとって見据えるべき「星」ではないかなと思います。

──アーティストとして、そしてアイドルとして、橋本さんは「作品を社会に届けること」の本質をどのように捉えていますか?
橋本:アート制作においてもアイドルの表現活動においても、根本的に共通しているのは「自分1人のなかだけで完結させてしまっては成り立たない」ということです。
自らの内面から絞り出した作品や表現が、境界線を越えて「誰か」のもとへと届きます。そしてそれを受け取る人がいて初めて、作品に“命(息吹)”が吹き込まれるのだと感じています。自分1人で納得のいくものが描けた、と自己完結した段階では、それはまだ未完成のままです。誰かの心に届き、感情を揺さぶった瞬間に、初めて1つの“作品”として完結するのだと思います。