韓国の大統領府(青瓦台)は、2027年1月1日に始める予定だった暗号資産所得への課税を、再び延期する方向で検討している。ソウル経済新聞や韓国経済新聞など複数の韓国メディアが25日、大統領府関係者の話として報じた。
韓国経済新聞によると、大統領府関係者は「暗号資産所得への課税を2年ほどさらに遅らせる案を検討している」と述べた。延期が決まれば、2020年の所得税法改正で課税の導入が決まってから4回目の先送りとなる。
一方、大統領府は記者向けの通知で「検討中であり、決定された内容はない」としている。課税の仕組みは、暗号資産の譲渡や貸出しで得た年間所得のうち、基本控除の2,500,000ウォンを超える部分に、地方所得税を含めて22%を課すものだ。
すでに与党・共に民主党のパク・ミンギュ議員ら14人が、課税の開始を2029年に遅らせる所得税法の改正案を発議している。野党「国民の力」も党として延期を求めており、同党の議員からは2年延期、3年延期、廃止の法案がそれぞれ出ているという。
大統領府は、今月の国政監査が終わり次第、与党と政府の協議を経て最終方針を決める見通しだ。共に民主党のキム・ミンソク代表は今月22日、「課税をそのまま行うか、制度をどう補完するかを議論し、年内に結論を出す」と語った。延期するかどうかは、11月の国会の税法審議で議論される見通しだ。
各紙が延期の理由としてあげるのは、海外取引所での取引を税務当局が十分に把握できず、国内取引所の利用者に税負担が偏りかねない点だ。各国の税務当局が暗号資産事業者から利用者の居住地や取引の情報を集めて交換するCARF(暗号資産等報告枠組み)では、韓国は2027年から情報交換を始めるが、米国の参加は2029年からだ。韓国経済新聞によると、大統領府関係者は、米国の参加が遅れるため、海外の暗号資産取引の情報の半分近くを受け取れないと述べたという。
与党の改正案が示す2029年という開始時期は、米国がCARFに加わる年と重なる。このほか、若年層の世論への配慮も理由に挙げられている。韓国経済新聞によると、国内取引所の利用者のうち20代・30代が44%を占める。
政府は9月まで、予定通りの実施を掲げていた。ク・ユンチョル副首相兼財政経済部長官(当時)は7月29日の国会で、2027年1月から課税する方針を示した。後任のイ・ヒョンイル副首相兼財政経済部長官も、候補者だった9月の書面答弁で「予定通り2027年から課税するのが望ましい」と答え、就任後の28日の国会でも同じ方針を示した。
課税とは別に、国境を越える暗号資産の移転を把握する制度づくりも進む。財政経済部は今月7日、外国為替取引法の施行令の改正案を立法予告し、国内外の事業者どうしや、国内の事業者と個人のウォレットとの移転を、韓国銀行の外国為替電算網に報告させるとした。施行は2026年12月3日(木)の予定で、集めた情報は国税庁や金融監督院などと共有するという。
日本では今年7月15日、暗号資産を金融商品と位置づける金融商品取引法などの改正法が成立した。所得税の分離課税(税率20%)は改正法の施行日が属する年の翌年1月1日から適用される仕組みで、施行が2027年中なら2028年1月からの取引が対象となる。CARFに対応した制度も2026年1月1日に施行され、暗号資産交換業者は利用者の税務上の居住地を確認した上で、翌年4月30日までに税務当局へ報告する。
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