ウェアラブルデバイス分野において、「スマートリング」の台頭が目覚ましい。大手メーカーや先行ブランドが市場を形成するなか、AI技術とトークンインセンティブを融合させた新世代のAIスマートリング「CUDIS(キュディス)」が大きな注目を集めている。
本稿では、日本市場への本格展開を始め、クラウドファンディングやポップアップイベント等で話題を呼ぶCUDISの製品性能、ブランドの思想、そしてWeb3.0及びDePIN(分散型物理インフラネットワーク)としての可能性について紐解いていく。
そもそもスマートリングとは、自身の心拍数や睡眠の質、活動量などの健康データを日常のなかで違和感なく計測することが可能なリング型のデバイスを指すことが多い。近年はスマートフォンなどと連携することで決済や通知確認などが行えるデバイスも登場してきている。
CUDISは、日常のあらゆるシーンにおいてストレスなく24時間のヘルスデータ管理を行えるよう設計されたスマートリングだ。2024年の発売以降、世界103カ国へ展開。現在では、30,000人以上のリングユーザー、250,000人以上のコミュニティメンバーを持つグローバルウェルネスブランドへ成長している。
軽量性に優れた航空宇宙グレードのチタン素材などを採用し、本体重量は約3gという極限の軽さを実現している。睡眠時や運動時、ビジネスシーンにおいても装着による違和感を与えない設計となっている。
また、ハードウェア性能の高さも際立っている。1回のフル充電で最大10日間の連続使用が可能となっており、充電端子には汎用性の高いType-Cに対応している。
さらに、5ATM防水性能及び防塵・防汗仕様を備えているため、水回りでの日常使いや激しいスポーツシーンでのトラッキングにも対応する。
機能面においては、以下の生体データ及び生活データを24時間体制でリアルタイムに測定・分析する。


.png?w=1200&h=1796)
また、ファッション性にも配慮がなされており、「CUDIS Sporty Series」などでは12色のカラーバリエーションを展開。ウェアラブル機器としての高い実用性とデザイン性を両立している。

取得された生体データは、専用のスマートフォンアプリとシームレスに同期される。アプリ内では、単に数値を記録するだけでなく、ユーザーのコンディションにあわせたパーソナライズ化された健康サポート機能を提供する。
生成AIを組み込んだ「AIコーチ(AI Coach)」機能は、収集された心拍変動や睡眠品質などのコンディションデータを複合的に分析。ユーザーの生活習慣や日々のコンディション変化に応じたアドバイスや実用的なガイダンスをリアルタイムで生成する。
また、既存のスマートリングの多くがサブスクリプションモデルを前提としているのに対し、CUDISは追加の月額サブスクリプション費用が不要である点も大きな特徴だ。購入後にコアとなる健康管理機能や分析インサイトを継続して享受できる設計は、ユーザーにとってコスト面のハードルを下げる要因となっている。

CUDISの最大の革新性は、Web3.0及びDePINの文脈を組み込んでいる点にある。
従来のウェアラブル機器では、ユーザーの生体データや行動データは中央集権的なプラットフォーム企業に集約され、そのデータの価値がユーザー自身に還元される機会は限定的であった。
CUDISはSolana(ソラナ)ブロックチェーンを基盤として採用し、「データの所有権をユーザーの手に戻す」という概念を実現している。
ユーザーは日々のヘルスクエストの達成やデータをプライバシーに配慮された形で提供することで、ポイントをインセンティブとして獲得できる仕組みを備える。ヘルスケアの行動自体がインセンティブと結びつくことで、ユーザーの健康維持に対する長期的なモチベーション維持を可能にしている。
今回、記事を執筆するにあたり筆者も実際にCUDISを装着して過ごしてみた。
当初想像していたよりもデバイスは軽く、慣れてくれば装着していても違和感なく過ごすことができた。
また、CUDISを使うには専用アプリのダウンロードが必須だが、セットアップにかかる時間はほとんどない。リングとスマートフォンとの連携を完了させれば、準備は完了だ。
CUDISの主な用途としては、運動を含む活動時のスコア記録や睡眠スコア及びストレスレベルの計測などといったウェルネス管理となる。
活動時のスコア記録はアプリ内「アクティビティ」より活動内容を選択することで計測が可能だ。一例として、「ウォーキング」や「ジム・フィットネス」、「ゴルフ」、「サイクリング」などの項目が活動内容としてあげられ、全70項目(執筆時点)のなかから選択ができる。

そして睡眠記録では睡眠の質を詳細に記録することができ、「浅い睡眠」「深い睡眠」などの項目をベースとして自身の睡眠をスコア化することが可能だ。リングをつけながらの睡眠でもストレスを感じることはなかった。自らの睡眠を可視化できる点は、現代社会人にとって今後より重要性を帯びてくることだろう。
CUDISの特徴である「AIコーチ」機能も実際に利用してみた。
この機能はメニュー内より「AIコーチ」をタップし、AIとチャットでコミュニケーションを図りながら、自分のフィットネスプランをAIにカスタマイズしてもらった。
1日の歩数目安や行動活動などをAIが提案し、最終的にどの程度の目標とするかは利用者自身が決定する。そのため、実生活を踏まえながら無理のない範囲の目標を掲げることができる。
最後にWeb3.0の要素として、ウォレットを作成してみた。
送受信できるのは、ソラナ(SOL)、USDコイン(USDC)など。ウォレットはリングとアプリが連動することで初めて機能することから、どちらかを紛失したからといって第三者に資産を奪われる可能性は限りなく低いといえる。なお、どちらかを紛失した場合でもシードフレーズさえ手元に控えておけばいつでも復元が可能だ。
CUDISを使用した感想として、筆者の想像を上回るレベルで緻密なヘルスデータの記録が可能である点に驚かされた。さらに、数日間ほとんどの場面で装着をしていてもバッテリーの消費が限定的であり、気になる場合でも入浴時などに充電をしておくことで事足りるだろうと感じた。そして何よりも、使い続けていて自然と自分の生活に溶け込んでいく感覚を覚えた。

CUDISはグローバルでの展開を加速させるなかで、日本市場へのアプローチも本格化させている。
日本国内におけるクラウドファンディングプラットフォーム「GREEN FUNDING」での展開や、東京・新宿の「au Style SHINJUKU」における期間限定のポップアップイベントの開催などを通じ、実際に手にとって体験できる場を提供してきた。
グローバルではDraper Associates等からの資金調達を完了しており、スポーツ団体との提携や数万人規模のユーザーコミュニティの形成が進んでいる。
実用的なヘルスケアガジェットとしての完成度と、Web3.0によるあたらしいエコシステム設計の両立を目指すCUDISは、今後ウェアラブル市場においてさらなる注目を集める可能性がある。
画像:筆者スマートフォンのスクリーンショット、CUDISより提供