
今週の暗号資産市場は、表面上は方向感に乏しい展開。ビットコインや主要アルトコインも大きく崩れたわけではない一方、価格の落ち着きとは裏腹に、市場の内側ではDeFi発の「流動性ショック」への警戒が強まった1週間であった。
きっかけは、KelpDAOを巡る大型攻撃である。ブリッジの脆弱性を突かれたことで、rsETH関連資産に信用不安が広がり、Aaveなどの貸出しプロトコルでは不良債権処理が問題となった。
DeFiでは、通常時には担保として機能している資産でも、ひとたび信用が揺らぐと買い手が薄くなり、清算が進みにくくなる。今回の事例は、まさにその流動性ショックが表面化したものといえる。
一方で、BTC現物ETFには資金流入が続いており、機関投資家の需要はなお底堅い。
米国の現物Bitcoin ETFは8営業日連続で純流入を記録し、流入額は約20億ドル規模に達したと報じられている。つまり今週の市場は、ETFによる現物買いがBTCを下支えする一方、DeFiの信用不安とマクロ要因がアルトコインの上値を抑える構図であった。
今後は、Aave周辺の清算処理が落ち着くかが、市場全体のリスク許容度を見極める重要な焦点となる。
