政府は2050年までのカーボンニュートラル達成に向け、今後10年間で150兆円超となる官民GX投資を実現する方針を2023年に示しました。脱炭素への対応は、大企業だけでなく自治体や中小企業にも広がりつつあります。
こうした流れのなかで活用が進んでいるのが「カーボンクレジット」です。森林の保全や再生可能エネルギーの導入など、CO2の削減・吸収につながる活動を認証し、その削減量を「クレジット」として取引可能にする仕組みです。
日本の代表的な制度としては、国が認証を行う「J-クレジット制度」があります。企業はクレジットを購入し、使用済みとして登録(無効化)することで、自社で削減しきれなかった排出量を埋め合わせる(カーボンオフセット)ことが可能です。
一方で、クレジットの取引が国内外で広がるにつれ、その信頼性をどう確保するかが課題になっています。同じクレジットが2度使われないよう管理はされていますが、国内外に複数の認証制度や取引サービスが存在するため、それらをまたぐとクレジットの由来や使用状況を横断的に確認しにくいのが現状です。
この課題に対し、NFTを活用する取り組みが生まれています。カーボンクレジットに関する権利や使用履歴をNFTとして記録し、登録簿と連携させることで、制度をまたいだ追跡がしやすくなる仕組みです。今回はアプローチの異なる2つの事例を紹介します。