チケット不正転売の構造的課題
ライブ市場の拡大に伴い不正高額転売が深刻化している。法規制が強化されたものの、SNSや非公式サイトでの「みえない取引」が横行しており、安全な公式譲渡の場が不足していることが不正流通を拡大させる要因となっている。
NFT技術による流通の再設計
チケットをNFT化することで保有・移転履歴を可視化できる。興行主が譲渡条件や公式リセール価格を直接コントロール可能となり、従来第三者に流れていた転売益の一部を制作側へ還元する仕組みが実現する。
一般普及とあらたなファン体験
専門知識不要で利用できる「TicketMe」が大型音楽フェスで採用されるなど、実用化が加速している。アカウント売買等の課題には従来の本人確認と併用で対応し、公演後もデジタル特典でファンと興行主をつなぐ役割をはたす。
国内のライブ・エンタテインメント市場が拡大を続けています。ぴあ総研によると、2025年の音楽コンサートとステージ公演のチケット販売額は8,564億円と、3年連続で過去最高を更新しました。
来場者1人当たりの単価も9,286円まで上昇し、人気公演への需要の集中も指摘されています。
その裏で問題になっているのが、チケットの不正転売です。2019年にはチケット不正転売禁止法が施行され、一定の要件を満たすチケットについて、興行主の同意なく販売価格を超える価格で繰り返し転売する行為などが禁止されました。
しかし文化庁は2026年6月、法施行から7年が経過した今も著しく高額な転売が続いていると指摘し、興行主に対して入場時の本人確認や公式リセールの整備を改めて要請しています。
実際、公式リセールサービスを手がけるチケットプラスが2025年に実施した調査では、チケット購入経験者の3人に1人が転売チケットに接触し、そのうち約半数が何らかのトラブルを経験したと回答しました。
高額転売だけでなく、代金を支払った後に販売者と連絡が取れなくなる、公演が中止になっても返金されないといったトラブルも報告されています。