私には夢がある。
それは、いつの日か私の幼い子どもたちが、肌の色ではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King Jr.)、キング牧師のリンカーン記念堂での「I Have a Dream」と繰り返される有名な演説の一節だ。
のちに彼は非暴力抵抗と公民権運動に対する貢献が認められ、ノーベル平和賞を受賞することとなる。悲劇的な最後を迎えた彼の描いた「自由」は、アイザイヤ・バーリンが「自由論」のなかで提唱した2つの自由のうち、消極的自由(Negative Liberty)を追い求めた英雄であったように思う。
バーリンの自由論のなかに書かれた個人が外部の制約や強制から解放されて、自分の意思に従って行動できる開放というニュアンスの「消極的自由」と、自らの意志に従って決定できること、派生して自己の意思を実現するための力や機会を持つ支配というニュアンスの「積極的自由」は、自由という言葉に内包される性質を分解し、考えるきっかけを与えてくれる。
そして積極的自由の追求は、時に集団や国家による個人の支配につながる危険性を哲学的に説く本だ。大いなる自由には大いなる責任が伴う。