「暗号資産は金融商品である」──“前提”を書き換えられる日

2026/04/18 10:00 (2026/04/20 09:19 更新)
八木 紀彰
SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
「暗号資産は金融商品である」──“前提”を書き換えられる日

2026年4月、日本政府はついに明確な答えを提示した。改正金融商品取引法の閣議決定である。これは単なる制度変更ではなく、暗号資産という存在の“前提”そのものを書き換える転換点になった。これらのルールが実際に動き出すのは、国会成立後、周知期間(1年程度)を経た「施行日」からとなることはご留意いただきたい。

これまで決済手段として語られてきた暗号資産は、明確に「投資対象」として再定義される。

今回の改正の本質は、暗号資産を金商法の枠組みに取り込み、証券に準じた規律を適用する点にある。情報開示、監査、そしてインサイダー規制。いずれも従来の暗号資産市場においては曖昧だった領域である。

象徴的なのが「特定暗号資産」という概念の導入である。IEOなどで発行されるトークンは、有価証券に近い扱いとなり、数値と責任を伴う説明が求められる。一定規模以上では監査法人によるチェックが義務化され、「構想」だけを記したホワイトペーパーでは資金調達できない時代に入る。

さらに、インサイダー取引やステルスマーケティングの規制も導入される。情報格差を前提とした収益モデルは、制度的に否定される方向に進むだろう。

ウォーレン・バフェット氏の「潮が引いた時に誰が裸で泳いでいたかがわかる」という言葉は、この局面を的確にあらわしている。今回の改正はまさに“潮の引き”といっても良いだろう。

この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
Side Banner
Side Banner
MAGAZINE
Iolite(アイオライト)Vol.21

Iolite(アイオライト)Vol.21

2026年9月号2026年07月30日発売

Interview Binance 共同最高経営責任者(Co-CEO)リチャード・テン、SMBC日興証券株式会社 Nikko Open Innovation Lab兼DeFiテクノロジー部 部長 磯野太佑、Fintertech株式会社 取締役/暗号資産金融事業責任者 神脇啓志 PHOTO & INTERVIEW 中野優作 特集「暗号資産取引所の生存戦略─金商法移行後の新秩序─」 Interview コインチェック株式会社 代表取締役 社長執行役員CEO 井坂友之 株式会社マーキュリー 取締役副社長 藤原崇亮 [対談連載]The NISHI Talk:Crypto Conversations 「ビットコインの取得にとどまらない社会実装」 、仮想NISHI×株式会社ANAPホールディングス 代表取締役社長 川合林太郎 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等

MAGAZINE

Iolite(アイオライト)Vol.21

2026年9月号2026年07月30日発売
Interview Binance 共同最高経営責任者(Co-CEO)リチャード・テン、SMBC日興証券株式会社 Nikko Open Innovation Lab兼DeFiテクノロジー部 部長 磯野太佑、Fintertech株式会社 取締役/暗号資産金融事業責任者 神脇啓志 PHOTO & INTERVIEW 中野優作 特集「暗号資産取引所の生存戦略─金商法移行後の新秩序─」 Interview コインチェック株式会社 代表取締役 社長執行役員CEO 井坂友之 株式会社マーキュリー 取締役副社長 藤原崇亮 [対談連載]The NISHI Talk:Crypto Conversations 「ビットコインの取得にとどまらない社会実装」 、仮想NISHI×株式会社ANAPホールディングス 代表取締役社長 川合林太郎 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等