今週の暗号資産市場を振り返る上で、単なるビットコイン価格の急落として片付けるのは適切ではないと考えている。むしろ象徴的だったのは、「安全資産」と信じられてきたものが同時に機能不全に陥った点にある。
トランプ米大統領がFRB次期議長に、タカ派として知られるケビン・ウォーシュ氏を指名したことは、市場が前提としてきた「年内利下げ」という物語に冷水を浴びせた。これまで金融緩和を織り込んで積み上がっていたポジションは、一斉に見直しを迫られることとなった。
その直後に起きたのが、ゴールドの歴史的急落である。46年ぶりともいわれる下落率は、単なる需給の問題ではなく、「最後の逃げ場」と見なされていた資産すら信認を失ったことを暗に示した。
この瞬間、市場には「今回は、どこにも逃げ場はない」というメッセージが発せられた。