1.200日移動平均線(200MA)の突破
ビットコインは200日移動平均線を上抜け、8万ドル台へ急騰した。米財務省の国債買い戻し増額を機に、下落を見込んでいた短期勢のショートカバー(買い戻し)が殺到したことが最大の牽引役となった。
2.4年サイクルと大底形成のシグナル
BTC特有の4年サイクルによる底打ち時期が意識されるなか、Strategy社による異例のBTC売却が市場を揺さぶる「最悪の事態」として機能し、結果的に大底を形成する決定的な転換点。
3.「冬の時代」の終焉と今後の展望
重要指標の突破により市場に「冬の時代」の終焉という認識が広がり、様子見だった長期投資家の資金流入が再開している。一時的なダマシへの警戒は必要だが、全体としては相場上昇を後押しする局面に。
ビットコイン(BTC)は57,000ドルで切り返すと、70,000ドル近辺の200MA(200日移動平均線)を突破、80,000ドル台に値を伸ばしました。
8月18日に米政府債務が40兆ドルを超え、30年債金利が約20年ぶりの高水準を付けたのに対し、米財務省は国債の買い戻しの増額を発表しました。
これをきっかけにデリバティブ市場でショートカバーが殺到し、ETFからの購入も重なってビットコインは急騰しました。材料面の主な要因は2つあります。
まず、クラリティ法案の成立が危ぶまれ始めたことです。5月14日に上院銀行委員会を通過したものの、7月末の夏季休会までに上下院本会議を通過できなければ中間選挙前の成立は難しく、選挙結果次第では年末廃案の可能性が浮上しました。下院を超党派で通過し成立はほぼ確実とみていた市場にとって大きなショックを与えています。
次に、ウォーシュFRB議長の就任です。新議長はFRBバランスシートの縮小とインフレ抑制に強い姿勢を示しており、インフレヘッジとしてのビットコイン買いというストーリーが後退した印象です。
需給面では、Strategy社の少額売却(32BTC)が効きました。保有84万BTCのごく一部でしたが、「BTCを永遠に買い続ける」という神話が崩れたことで市場は大きく動揺しました。

それにしても、なぜビットコインはここまで大きく上昇したのでしょうか?
それにはビットコインを巡るアノマリーや季節性が影響しています。ビットコインは半減期を巡る供給要因から4年サイクルを描くことが知られています。半減期の1年から1年半後にピークを迎え、それから約1年間の下落トレンド、いわゆる「冬の時代」を迎えます。
上図では2013年11月のピークから411日後、2017年12月のピークから363日後、2021年11月のピークから376日後にそれぞれボトムアウトしています。今回は昨年10月のピークから10ヵ月を経過し、そろそろ大底を迎えるという観測が強まっていました。
従来のサイクル通りに相場が動くとは限りません。ただ、参加者の間で「また同じパターンだ」という認識が広がり始めると、その認識が自己実現的に相場を動かすことはよくあります。