今回は2026年1月に日本で巻き起こった奇妙なミームコインのブームについて触れたいと思います。
男性の顔が刻印された金貨をアイコンとするそのミームコインAは、底値から数千倍の高騰をみせ、時価総額は瞬く間に5,000万ドルを突破しました。平常時では考えられない数の参加者が購入し、価格が上昇する様子を目の当たりにした人々が、さらなる高騰を期待して次々と参入。加熱した欲望は、ついに危険な領域へと突入する……まさに「FOMO(Fear Of Missing Out、取り残されることへのおそれ)」現象でした。
さらにこのブームに便乗し、同様の文脈を持つ派生コインが乱立。コミュニティ間での勢力争いへと発展する、異様な光景が繰り広げられました。

今回用いられたミームはすべて動画共有サイト・ニコニコ動画で有名になりました。ニコニコ動画には成人向けビデオを差別的文脈で面白おかしく消費する勢力が台頭し、インターネットミームのインキュベーション機関の様相を呈しています。人間の恥部を余す所なく素材にし、台詞を真似て親睦を深める、といった動きが15年以上継続的に行われています。これらはいうまでもなく著作権と演者の名誉を侵害しており、大変不適切なものです。