ビットコイン(BTC)価格は28日、大きな節目である60,000ドル(約898万円)を突破した。その後も価格上昇は止まらず、一時64,000ドル(約960万円)台まで上昇する場面もみられた。ビットコインが64,000ドルに達したのはドルベースで過去最高値を更新した2021年11月以来、約2年3ヵ月ぶりとなる。
アルトコインにも資金流入がみられ、なかでもイーサリアム(ETH)も3,500ドル(約52万円)台を突破するなど、暗号資産(仮想通貨)市場は全面高となっている。なお、イーサリアムの日本円ベースでの最高値は約55万円だ。
その後、ビットコインは一時的に58,000ドル(約869万円)台まで下落したが、記事執筆時点では63,000ドル(約943万円)ほどまで戻している。アルトコインでも同様の動きがみられている。
ビットコイン現物ETFへの資金流入は過去最大
ビットコインは先月承認されたビットコイン現物ETFにより資金が流入し続けている。
米資産運用企業最大手ブラックロック(BlackRock)のビットコイン現物ETF「アイ・シェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」は28日、1日で過去最大の約6億1,200万ドル(約916億円)の資産流入を記録した。ビットコインに直接投資する米国のETFのなかでも過去最大の資金流入となる。
また、すべてのビットコイン現物ETFへの資金流入は約6億7,700万ドル(約1,013億円)となっており、こちらも過去最大となっている。今後もビットコイン現物ETFへの資金流入はしばらく続く可能性がある。
ビットコイン現物ETF効果により、2021年11月につけた過去最高値69,000ドル(約1,032万円)の更新が視野に入っている。また、4月に訪れる見込みのビットコインの半減期に対する期待も相乗効果を高めている。これまで半減期にあわせてビットコイン価格は上昇してきた。こうした期待からビットコインの現物及び現物ETFを購入する投資家が増加しているものとみられる。
暗号資産ファンド・ビットワイズ(Bitwise)のCEOであるハンター・ホースリー(Hunter Horsley)氏は「ビットコインは減速することなくこのまま加速し続けるだろう。市場は大幅に成長し、ビットコイン価格は想像よりも早く25万ドル(約3,750万円)に達する可能性がある」と述べた。
ビットワイズは昨年12月に2024年の暗号資産市場予測を発表し、その際ビットコイン価格が8万ドル(約1,200万円)を超えて取引され、最高値を記録すると予想していた。
さらに「5年以内にビットコイン現物ETFは7兆2,000億ドル(約1,045兆円)に及ぶ米国のETF市場の1%、つまり720億ドル(約10兆円)の運用資産を獲得できると推定している」とも試算している。ビットワイズの見解は2024年中に到達するものとして展開されていたが、2月末時点になって早くも現実味を帯びてきたものといえるだろう。
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