世界最大の資産運用企業ブラックロック(BlackRock)のCEO、ラリー・フィンク(Larry Fink)氏が、「イーサリアム(ETH)現物ETFを持つことに価値があると考えている」との見解を述べた。米CNBCが12日に報じた。
フィンク氏へのインタビューは、ビットコイン現物ETFが承認されたことを受けて行われた。ブラックロックはビットコイン現物ETF取引初日に10億ドル(約1,460億円)を超える出来高を記録している。
同社は昨年11月に、イーサリアム現物ETFをSEC(米証券取引委員会)に申請している。申請の最終期限は8月7日となっている。申請しているほかの企業はヴァンエック(VanEck)、アーク&21シェアーズ(Ark&21Shares)、グレースケール(Grayscale)など複数にのぼる。ヴァンエックの最終期限は5月23日だ。
フィンク氏は既存の金融システムをアップグレードするため、ブロックチェーンテクノロジーの展開に重点を置いていると述べた上で、「私はイーサリアムETFを持つことに価値があると考えている。しかしそれはトークン化への足がかりに過ぎない。ETFは金融市場における技術革命の第一歩だ」と強調した。
さらに、「我々にはすべての資産をトークン化する技術がある。トークン化された資産はすべてが一緒に作成された分散型台帳に記録される。これによりあらゆる欠陥が排除される」と付け加え、8月にはイーサリアム現物ETFの承認がなされるだろうと改めて自信を示した。
承認を巡る見解わかれる
ブルームバーグのETFシニアアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、「SECが5月までにイーサリアム現物ETFを承認する可能性は70%だ」と述べ、承認される可能性は高いと主張している。
一方、大手銀JPモルガンは5月にSECが承認する可能性は低いとみている。また、デジタル資産専門弁護士のジョー・カルラサーレ(Joe Carlasar)氏は、「イーサリアム現物ETFが承認される可能性は高いが予想よりも時間がかかるだろう」と見解を述べていた。
参考:報道
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