米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は20日、機関投資家向けにビットコイン(BTC)の半減期に関するレポート「Halving handbook:A primer for institutional investor」を発表した。2018年から2022年の市場サイクルと半減期を比較し、暗号資産市場への潜在的な影響について分析した形だ。
4月中旬頃に予定されているビットコインの半減期では、マイナー報酬が6.25BTCから3.125BTCに半減される。ビットコインにとっては4回目の半減期となり、あらたに流通するコインの供給量を減らすことでインフレを抑制し希少性を高めることにつながるとされている。
コインベースは2012年から2022年にわたる半減期サイクルをレポートで比較した。
2012年11月に訪れた1回目の半減期では、マイニング報酬が50BTCから25BTCに半減された。最初の半減期の影響は当初不確実であり、その日のビットコインの終値は12.35ドルだった。しかし150日後にビットコイン価格は127ドルまで上昇し、その上昇率は923%に上った。
また、2016年7月の2回目の半減期では、2012年に価格が上昇した経験からコミュニティを中心に期待感が高まったと指摘。実際、2016年の半減期に650ドルで取引されたビットコイン価格は150日後に758ドルまで上昇した。
記憶にあたらしい2020年5月の3回目となる半減期が訪れた際には、ビットコイン価格は150日後に半減期当日の8,820ドルから10,940ドルほどまで上昇している。
過去を振り返りと、ビットコインは平均して半減期までの6ヵ月間に61%、半減期後の150日間で348%上昇しているとコインベースは指摘する。
半減期後の推移に警鐘鳴らす
今回の半減期後についても上昇することが予想されているが、コインベースは現在の投機的な市場環境を考慮し注意が必要だと警鐘を鳴らす。
レポートでは、「投資家はこの見解を全面的に受け入れることに慎重になるべきだ。半減期がビットコインのパフォーマンスに影響を与える可能性はあるが、歴史的証拠はまだ限定されているため、推測の域を出ない」と説明した。
レポートでは、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融緩和など、ビットコインの価格に影響を与えるより広範なマクロ経済的要因にも注目すべきであると述べている。特に、ビットコイン現物ETFに対する期待とFRBによる利下げの可能性が最近の価格上昇の要因であると強調しており、半減期はビットコインの市場力学を揺るがす可能性のある要因の1つに過ぎないと指摘した。
参考:レポート
画像:Shutterstock
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