暗号資産

【NEWS】KyberSwapのハッキング事件、ハッカーが経営権の譲渡など完全支配を要求

2024/08/09 09:14 (2024/12/25 11:32 更新)
Iolite 編集部
SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
【NEWS】KyberSwapのハッキング事件、ハッカーが経営権の譲渡など完全支配を要求

プロジェクトの完全支配を要求

DEX(分散型取引所)集約プラットフォームカイバースワップ(KyberSwap)が約4,800万ドル(約68億円)相当の暗号資産(仮想通貨)を盗み出されたハッキング事件で、ハッカーが同社の経営権の譲渡等を求めたことがわかった。

プロトコルを開発するカイバーネットワーク(KyberNetwork)は23日、X(旧Twitter)の公式アカウントでハッキング被害を報告、ユーザーに対して速やかに資金を引き出すことを求めていた。

先月30日、ハッカーは盗み出した資金の償還条件を開示。この要求は、カイバースワップがハッキング被害にあった資金の90%を返還することで、残り10%は報酬として差し出すと提案したことを受けてのものだ。

従業員の給料2倍等を条件として提示

ハッカーはオンチェーン上でエンコードされたメッセージにおいて、和解案として次の要求を行っている。

  • カイバーネットワークの完全な経営権の破棄
  • KyberDAOに対する完全な権限
  • カイバーの構造、収益、運営、財務、経費、給与、投資家、資産、負債に関する機密文書のアクセス
  • Webサイト、社会的資格情報、知的財産、株式、トークンを含む会社のオンチェーンとオフチェーンの資産の破棄

これらのすべての要求が満たされれば和解が進むと述べた。

また自らを「カイバーディレクター(Kyber Director)」と称し、正当な報酬額と引き換えに会社の経営陣らを正当な評価額で買収し、彼らの今後の活躍を期待すると述べている。さらに、自分の支配下では従業員の給料は2倍にし、会社を去ることを選択する従業員については12ヵ月の退職金と福利厚生の提供、転職支援を行うとしている。

ハッカーはカイバーネットワークのトークン保有者や投資家に対し、「私の管理下でカイバーは完全に生まれ変わる。7番目に人気のあるDEXではなく、まったくあたらしい暗号資産プロジェクトになる」と述べた。

続けて、流動性プロバイダーに関して、最近のマーケットメイク活動に対して発生した損失の50%の還元を行うとも約束をし、「おそらくこれはあなた方が望んでいる資金よりも少ないことは承知している。しかし、あなたが受け取るに値する以上のものだ」と語った。

ハッカーは和解期限を12月10日と定めている。もしこの要求をカイバーが拒否すればいかなる返金にも応じないとしている。ハッカーはカイバーのプロトコルに可能性を見出していることから、ハッキングにより取得した資金は同社の成長と発展を目的に運用で使用すると主張した。

なお、和解期限が迫っているがカイバー経営陣はまだ回答をしていない。

参考:オンチェーンメッセージ
画像:Shutterstock

関連記事

11月の暗号資産ハッキング被害額が500億円越え 今年最高額に

SHARE
  • sns-x-icon
  • sns-facebook-icon
  • sns-line-icon
Side Banner
Side Banner
MAGAZINE
Iolite(アイオライト)Vol.14

Iolite(アイオライト)Vol.14

2025年7月号2025年05月30日発売

Interview Iolite FACE vol.14 カルダノ(Cardano)/ Input Output Global創業者兼CEO チャールズ・ホスキンソン PHOTO & INTERVIEW 馬渕磨理子 特集「日米暗号資産関連の政策に関する考察」「日本発ブロックチェーン図鑑」「Hyperliquidで巨額のポジション清算が発生! 想定できなかったあらたな分散型金融の危機」「大注目の日本発、生成AIスタートアップ「Sakana AI」」「リセッションに備えよ─ 金融とアノマリーの相関性─」 Crypto Journey 「“論破王”からみたWeb3.0」 ひろゆき Interview 特別連載 仮想NISHI 「暗号資産の相場動向と読み解くポイント」 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等

MAGAZINE

Iolite(アイオライト)Vol.14

2025年7月号2025年05月30日発売
Interview Iolite FACE vol.14 カルダノ(Cardano)/ Input Output Global創業者兼CEO チャールズ・ホスキンソン PHOTO & INTERVIEW 馬渕磨理子 特集「日米暗号資産関連の政策に関する考察」「日本発ブロックチェーン図鑑」「Hyperliquidで巨額のポジション清算が発生! 想定できなかったあらたな分散型金融の危機」「大注目の日本発、生成AIスタートアップ「Sakana AI」」「リセッションに備えよ─ 金融とアノマリーの相関性─」 Crypto Journey 「“論破王”からみたWeb3.0」 ひろゆき Interview 特別連載 仮想NISHI 「暗号資産の相場動向と読み解くポイント」 連載 Tech and Future 佐々木俊尚…等