4月中旬頃にも4回目の半減期を迎える見込みのビットコイン(BTC)を巡り、大手マイナーである米マラソンデジタル(Marathon Digital)のCEOであるフレッド・ティール(Fred Thiel)氏が、「今回の半減期は小規模なマイナーに大きな影響を与える」との見解を述べた。
暗号資産(仮想通貨)市場では、今回の半減期を経てビットコインの希少性がさらに高まるとし、強気相場を期待する声が強い。一方で、半減期ではマイニング報酬が6.25BTCから3.125BTCと減少するため、一部マイナーの撤退及び資金補填を目的としたビットコインの大規模な売却も懸念されている。
こうしたなか、ティール氏は小規模なビットコインマイナーは4月の半減期後、「強い経済的懸念に直面するだろう」と警鐘を鳴らした。
CNBCで放送されたインタビューのなかで、ティール氏は現在のマイニング市場における中小企業と大企業の間で資金や設備へのアクセスが不平等になっていることを指摘。大企業が簡単に資金を調達できる一方で、小規模のマイナーは取り残され、かつ資金調達の選択肢が限られていることから、成長が妨げられていると強調した。
また、ティール氏はマイニング報酬が減ることで「これらの中小企業は財務的に持続不可能となり、業界大手による業界再編への道が開かれる」と予測した。
マラソンデジタルとしては最近2件の買収を完了したと明かし、今後も継続してマイニング事業を拡大させていく予定だという。買収したのはテキサス州及びネブラスカ州のマイニング施設だとし、今後ビットコインのマイニングを巡りさまざまな課題に直面する上で強い立場をとることができると主張した。マラソンデジタルは今後も小規模マイナーを買収していく予定であるという。
2023年はマラソンデジタルにとって飛躍の年となった。過去1年間の収益は3億8,750万ドル(約586億円)となり、前年度と比較すると229%もの成長を記録した。
マイナーの撤退は最小限に留まるとの指摘も
ビットコインの半減期により一部マイナーの撤退が予想されるなか、資産運用企業バーンスタイン(Bernstein)のアナリストらはこうした動きが「最小限に留まる」との見方を示している。
その要因として、暗号資産の市況が強気にであることから、マイナー企業を含む暗号資産関連企業のバランスシートが強化されることをあげた。また、半減期後にはハッシュレートが急落する傾向があるが、今回はそうした動きも減少すると同社は予想している。
参考:報道
画像:Shutterstock
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