米SEC(証券取引委員会)は日本時間11日、複数のビットコイン現物ETFを承認したと発表した。これにより、米国において初めてビットコイン現物ETFが上場することとなる。
2013年に暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)が史上初めて申請を行って以来、これまで多くの企業がビットコイン現物ETFの実現に向け動いてきたが、価格操縦リスクや投資家保護等で課題があるとしてSECは承認を見送ってきた。
なお、今回SECによって承認されたビットコイン現物ETFは11件にのぼる。承認されたビットコイン現物ETFは下記の通りだ。
- グレースケール(Grayscale):Grayscale Bitcoin Trust(GBTC)
- ビットワイズ(Bitwise):Bitwise Bitcoin ETP Trust(BITB)
- ハッシュデックス(HashdeX):HashdeX Bitcoin ETF(DEFI)
- ブラックロック(BlackRock):iShares Bitcoin Trust(IBIT)
- ヴァルキリー(Valkyrie):Valkyrie Bitcoin Fund(BRRR)
- アーク&21シェアーズ(Ark&21Shares):ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)
- インベスコ(Invesco):Invesco Galaxy Bitcoin ETF(BTCO)
- ヴァンエック(VanEck):VanEck Bitcoin Trust(HOLD)
- ウィズダムツリー(WisdomTree):Wisdom Tree Bitcoin Trust(BTCW)
- フィデリティ(Fidelity):Fidelity Wise Origin Bitcoin Fund(FBTC)
- フランクリン(Franklin):Franklin Bitcoin ETF(EZBC)
ビットコイン現物ETFの承認を受け、記事執筆時点でビットコイン(BTC)価格は45,500ドル(約665万円)ほどで推移している。前日にSECによる虚報が投稿されたことも影響し、価格変動は最小限にとどまったものとみられる。
一方、イーサリアム(ETH)への資金流入が顕著で、現時点では250ドル(約37万円)ほどまで上昇している。ビットコイン現物ETFが承認されたことで一部の資金が流れたことに加え、現在申請されているイーサリアム現物ETFの実現に向けた期待が集まっている格好だ。
承認されたビットコイン現物ETFは早ければ日本時間11日夜にも取引が開始される見込みとなっている。
SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は「本日、我々はビットコイン現物ETFを承認した」とコメント。その上で、「ビットコインそのものを承認、推奨するものではない。投資家は、ビットコイン及び暗号資産と価値が結びついている商品に関連する無数のリスクについて、引き続き慎重であるべきだ」と付け加えた。
参考:発表、承認資料
画像:Shutterstock
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