SEC(米証券取引委員会)が、イーサリアム(ETH)現物ETF発行者に対して米国時間今月31日までに更新したS-1登録届出書を提出することを求めたことがわかった。事情に詳しい関係者の話として米暗号資産(仮想通貨)メディア・The Blockが報じた。
S-1登録届出書とは、新規上場する有価証券に関する登録書類だ。今月23日にSECは8つのイーサリアム現物ETFに関連する19b-4書類を承認したが、これは自主規制団体が定める規則変更案に関する書類であり、実際にETFの取引が開始されるためにはS-1登録届出書が承認される必要がある。
イーサリアム現物ETFの承認可否を巡っては、SECは1度すべての申請を否決するとの見方が強かったが、急遽承認へと舵が切られた。これは政治的圧力によるものだと指摘するアナリストも少なくない。
なお、イーサリアム現物ETFが承認された日に、ヴァンエック(VanEck)はS-1登録届出書の修正版を提出したという。30日には、ブラックロック(BlackRock)も同様に修正したS-1登録届出書を提出した。
しかし、S-1登録届出書の承認については時間がかかる可能性もある。S-1登録届出書の承認に向け、イーサリアム現物ETFの発行者は少なくとも2回はドラフト版を作成し提出する必要があると予想する声もあるようだ。そのため、S-1登録届出書の承認には数ヵ月を要する可能性があると予想するアナリストもいる。
一方、世界最大の証券清算機関であるDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)には各社のイーサリアム現物ETFのティッカーが登録されている。
DTCCへの登録は上場プロセスの予備的なプロセスとされているが、SECがイーサリアム現物ETFを承認することを保証するものではない。しかし、上場承認を目前にした商品でなければ登録はされない。
ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏は、この展開を好意的に評価した。Xでの投稿で、更新された申請は業界にとって「良い兆候である」と述べ、一連の出来事が、イーサリアム現物ETFが近いうちに市場に導入される可能性を示唆していると述べた。
参考:報道、バルチュナス氏X
画像:Shutterstock
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