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【NEWS】イーサリアム現物ETFで急展開 SECが近日承認か

里見 晃
2024/05/20

イーサリアム現物ETF承認の可能性が高まる

SEC(米証券取引委員会)が、イーサリアム(ETH)の現物ETFを承認する可能性が高まった。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストらが指摘した。

米時間23日に訪れるイーサリアム現物ETFの最終承認期限を前に、事態は急展開を迎えた。

20日、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏とエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はX(旧Twitter)で、イーサリアム現物ETFに関するSECの決定に関する予測を更新。SECの内部議論に関する「雑談を聞いて」、イーサリアム現物ETFの承認の確率が25%から75%に上昇したと述べた。

バルチュナス氏は「SECが今週、事前に予想されていたイーサリアム現物ETFの承認拒否を180度方向転換するかもしれない」と語っている。

このあらたな予測は、SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の声明や、暗号資産政策の方向転換を求める民主党の政治的圧力を受けSECが承認に向けて動いている可能性を示唆する内部報告書など、さまざまな兆候に基づいているという。

セイファート氏もこの意見に同調し、この問題は「ますます政治的になっている」と述べた。同氏は、情報源が正しければ、今後数日で関連申請が急増するだろうと付け加えた。「これが真実であることが判明した場合、私のリプライでイーサの人々からこの話が終わることはないだろう」と述べ、暗号資産コミュニティに対する影響を強調した。

イーサリアム現物ETFに関するSECの最終承認可否が最初に下されるのはヴァンエック(VanEck)の申請で今月23日に迫っている。

ほかにも、アーク・21シェアーズ(ARK21Shares)、ハッシュデックス(Hashdex)、インベスコ(Invesco)、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)などもイーサリアム現物ETFを申請しているため、ヴァンエックの承認に関する決定は重要な意味を持つことになる。

ヴァンエックのCEOであるヤン・ヴァン・エック(Jan van Eck)は先月、インタビューにおいてSECが5月に同社のイーサリアム現物ETF申請に関する承認について懐疑的な姿勢を表明した。また、グレースケール(Grayscale)が今月7日にイーサリアム先物ETFの申請を取り下げたこともイーサリアム現物ETFの承認がまだ先になることを示唆といえる。


承認可否に影響を与える政治的背景

一連の動向を巡っては、政治情勢の変化がSECの決定に影響を与えたようだ。米上下両院は、SECによる暗号資産(仮想通貨)を含むデジタル資産の会計処理に関する規則を撤回する決議案を賛成多数で可決した。

この議会決議はジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が署名することで成立するが、同氏は拒否権を発動する姿勢をみせている。

また、SECが取引所規則の変更に関する19b-4申請を承認したとしても、S-1申請(登録届出書)が承認されない限りETFの取引は開始されない。また、そのプロセスには期限が定められていないため、取引開始自体は先になる可能性がある。

それでも、SECと協議中の企業は、SECの姿勢を受け楽観的な見通しを立てているという。新情報と内部情報源に基づいて承認確率の見通しを上昇させたセイファート氏とバルチュナス氏もより楽観的な姿勢に傾いた。

参考:バルチュナス氏Xセイファート氏X
画像:Shutterstock


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