英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)は24日に発行したレポートで、「暗号資産(仮想通貨)の冬」が終わり、ビットコイン(BTC)価格が2024年末までに最大10万ドル(約1,335万円)に達する可能性があると予測した。
スタンダードチャータード銀行の暗号資産調査チームのアナリストであるジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は「シリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)やそのほかの米中堅金融機関の破綻により、ビットコインが非中央集権的かつトラストレスで希少なデジタル資産であるという確信が高まった」と述べた。
続けて、「従来の銀行部門における現在のストレスは、ビットコインのアウトパフォーマンスを大きく助長しており、分散型かつトラストレスで希少なデジタル資産であるというビットコインの本来の前提を裏付けている」と語った。
こうした要因を踏まえると、暗号資産市場におけるビットコインのドミナンスは、今後数ヵ月で50%〜60%台に上昇する可能性があるという。
ケンドリック氏によると、USDコイン(USDC)など米ドルのステーブルコインが抱えるリスクもビットコインにとって追い風となっているようだ。
USDコインについては、破綻したシリコンバレー銀行に一部準備金が預けられていたことが発覚。準備金約430億ドル(約5兆7,500億円)のうち、1月末時点では87億ドル(約1兆1,600億円)がシリコンバレー銀行に預けられていた。準備金騒動以来、一時USDコインの価格が1ドルから乖離するなど、不安定な動きが見受けられた。
このような不安要素から、「分散化された希少なデジタル資産としてのビットコインの使用を再確立するのに役に立った」とし、「このような背景に対してビットコインは、ブランド化された安全な退避資産、価値の保存手段、送金手段として恩恵を受けてきた」と分析している。
リスク資産の安定化と、米FRB(連邦準備理事会)が金融引き締めを緩和するという憶測は、「10万ドルへの道筋がより明確になったことを意味している」とみているようだ。
また、2024年に迎えると見込まれているビットコインの半減期も価格上昇につながる要因だとしている。
参考:CNBC
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