米大統領候補のロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr)氏が、米国におけるCBDC(中央銀行デジタル通貨)の発行を阻止すると公約した。
これは共和党の有力大統領候補者であるドナルド・トランプ元大統領らに続く動きだ。トランプ氏は今月「政府の圧政から米国民を守る」ことを目的として、自身が大統領に返り咲いた際にCBDCの発行を阻止すると表明していた。トランプ氏はCBDCについて「自由に対する危険な脅威となる」とも付け加えていた。
ケネディJr氏も同様に、CBDCにあたるデジタルドルが「政府があらゆる民間金融事情を監視できるようになる」と主張した。
米大統領候補のケネディJrとトランプ氏は、米国におけるCBDCの創設に対してそれぞれ強く反対している。ケネディ氏はビットコイン推進派であり、Web3.0推進派として知られている。
ケネディJrは先週、自身のX(Twitter)において「大統領として、CBDCに対する取り組みを終了させる」と述べている。
その一方で、ケネディJrは昨年10月、大統領に選出された場合「ビットコイン(BTC)が保護され、人々が自分のウォレットを持てるようにし、現在のホワイトハウスにおけるビットコインに対する戦争は終わらせ、取引が確実に行われるようにする」と公言している。
ケネディJrは以前にも「ビットコインのような暗号資産(仮想通貨)は、インフレやあらゆる危機の逃げ道として機能する」と述べる一方、「CBDCは社会監視と統制のための究極のメカニズムであるため、我々は警戒すべきである」と主張していた。
また、「現金取引は匿名であるが、CBDCによって政府は私たちのあらゆる民間金融事情を監視できるようになる。中央銀行は私たちの取引に制限をかけ、送金できる場所やドルを使える場所、その有効期限まで制限できる権限を持つようになる」と述べ、否定的な立場をとっていた。
米国でCBDCに対する否定的な見方広がる
トランプ氏も、CBDCの実現で「政府があなたのお金に対する絶対管理を得る」と主張する。トランプ氏の発言を受けて、共和党のトム・エマー(Tom Emmer)下院議員は「トランプ氏とCBDCの創設を阻止することに協力できることを楽しみにしている」と述べた。
米国ではCBDCを巡り否定的な意見が目立つようになってきており、FRB(米連邦準備制度)においても依然として発行自体には消極的な姿勢がうかがえる。
FRBのジェローム・パウエル議長は昨年9月、デジタルドルに関して検討段階にあるとし、決定には「少なくとも数年はかかるだろう」と述べていた。
参考:ケネディ氏X
画像:Shutterstock
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