──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
KAZU SUZUKI(以下、KAZU):これまで、「ゲームはプレイヤーが楽しむもの」が中心でしたが、ブロックチェーン技術の活用によって「プレイヤー」だけではなく、観客やプロモーターなど、プレイヤーだけではなく、さまざまな立場でゲームを楽しみ、活用できるようになりました。
現在、ブロックチェーンゲームは過渡期であり、使いやすさや面白さ、いずれもガラケー時代のゲームのような状況ですが、スマートフォンで簡単に暗号資産による支払いが可能になると、異なるゲーム間でのコラボレーションや、コミュニティを中心としたゲーム開発が行われるなど、画期的な進化が訪れると予想しています。
その過程で、あたらしい雇用を生み、経済活動としても世界に貢献できる仕組みになると考えています。
「人狼ゲーム」を通して平和的思想を世界に広める
──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、課題を解決していきたいですか?
KAZU:私たち「WLF PROJECT(人狼プロジェクト)」は、世界的に人気がある人狼ゲームをテーマにしたゲームプロジェクトです。YouTubeでの再生回数をみていただくと、いかに人狼ゲームが観客にとって夢中になれるコンテンツなのか、ご理解いただけると思います。
ゲームは、プレイヤーのレベルが上がるほど専門的になり、観客が理解しづらくなる傾向がありますが、人狼ゲームはタレントや著名人がプレイする様子をみて楽しめる独特なゲームです。そのため、実際のゲームだけでなく、ドラマや映画、リアリティショーなどにも応用されてきました。
これほどまで、人々の関心を惹きつける理由は、人狼ゲームが「疑いと信頼」のゲームだからです。このゲームを通して、人々は「信じ合いたい」と願い、同時に、誰が嘘をついているのか「相手を疑ってしまう」体験をします。最終的に勝利するのが、人狼だとしても人間だとしても、そのプレイスタイルに出演者の人間性や魅力が反映されます。
そのリアルな生き様を観客がみることによって、世界に存在するさまざまな対立構造に対して「人間らしく信じ合う」ためのきっかけを掴むことができる、と信じています。
私たちのプロジェクトが解決する課題とは、つまり現実社会における「信頼」と「コミュニティ形成」にほかなりません。世界的に混沌としている現在において、私たちは「人狼ゲーム」を通して、平和的思想を世界に広めることに貢献したいと考えています。
今後の展望▶
人狼ゲームは「疑いと信頼」を体験できるゲーム
混沌とした世界に平和的思想を広めていく
https://wlfproject.com
Profile
◉Kazu Suzuki
WLF PROJECT代表
事業家、ゲームクリエイター。ドバイ政府公認デジタルアーティスト。2011年にスマホゲーム「人狼ゲーム 牢獄の悪夢」をリリースし、人狼ゲームブームのパイオニアとなる。本アプリのダウンロード数は1,000万DL、総プレイヤー数は8億人を越える。
「人狼ゲーム」の商標ホルダーであり、商標をオープンライセンス化する、など、人狼ゲーム市場の活性化に貢献。「人狼ゲーム 牢獄の悪夢」においては、プログラミング、デザイン、イラストレーション、サウンドデザインなど、アプリ開発に関わるすべてを一人で行う。一方、2007年から2020年まで広告代理店電通でプロデューサーを経験し、コンテンツプロモーション、プロジェクト設計、事業立ち上げを多数行ってきた。