──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
青木誠(以下、青木): 現在Web3.0業界では「The next billion users」というワードが頻繁に利用されています。これは次の数十億人のユーザーをWeb3.0プロダクトにオンボードしていくという意味で、いかにWeb3.0知識のないユーザーに自然にWeb3.0に触れてもらい、その価値を感じてもらうかということにあります。
Web3.0は社会実装に挑戦するという意味での過渡期にあると考えており、今までのようなWeb3.0ユーザーのためのWeb3.0プロダクトではなく、いかにWeb3.0特有の難しさを取っ払い、一般ユーザーに自然にWeb3.0特有のメリットをユーザーに享受してもらうかというところにあると思います。
やはりWeb3.0の1つの大きな魅力は、中央集権的なプラットフォームを介さないことで、そのプラットフォームの発展に対して価値を提供しているサービスプロバイダーが多くのインセンティブを獲得し、使用するユーザーも多額の仲介費用を払わなくていい点にあると思います。
ただ、前述の通りWeb3.0プロダクトに触れる上でウォレットの概念の難しさや、日本においては暗号資産やブロックチェーンについてしまったネガティブな印象をどのように変えていくというのが1つの課題であると考えます。
WebXを通じてWeb3.0の発展に貢献 ──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、どのようなことを成し遂げたいと考えていますか?
青木: WebXには、大きくわけて2つの目標があります。
第一に、Web3.0を骨太政策の1つとして政府も推進するなか、多くの大手民間企業もWeb3.0マーケットへの進出が加速しています。
税制・規制面などの暗号資産やWeb3.0を取り巻く環境面も改善は常に進められており、民間企業の進出により多くのWeb3.0社会実装事例が生まれてきております。日本のWeb3.0市場を投機マーケットとして捉えるのではなく、Web3.0マスアダプションという角度からみた際、日本は非常に魅力的なマーケットであることがわかります。
このようなポジティブな情報が溢れていながらも、世界への発信を行う機会が用意されていないため、WebXを通じて日本Web3.0マーケットの魅力を世界に届けられればと考えております。
また、日本のWeb3.0企業にとってグローバルマーケットへの進出は困難を極め、その1つの原因は海外カンファレンスなどへの参加には数百万円単位の費用がかかってしまう点にあると思います。日本でアジア最大級のWeb3.0カンファレンスが開催されていれば、数十分の一のコストで大型カンファレンスに参加でき、同時に多くの海外プロジェクトも多くの日本企業と出会うことができます。
WebXは日本と世界、アジアと世界をつなぐカンファレンスであり、今後もさらに規模を拡大していく予定です。
今後の展望 ▶︎ 日本のWeb3.0の魅力を世界に発信 WebXの規模は今後さらに拡大予定https://webx-asia.com/ja/
Profile ◉青木誠(Makoto Aoki)
株式会社CoinPost取締役CSO WebX代表理事
2017年より仮想通貨関連事業に携わり、2022年に正式にCoinPostに参画。現在は、WebXのFounderとしてカンファレンス事業を牽引しつつ、CoinPostの取締役CSO(ChiefStrategy Officer)を務める。
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