ブロックチェーンゲームの登場により、ただゲームをプレイできるだけでなく、トークンを通じたあらたな価値体験を享受できるようになった昨今。特に日本においては、世界有数のアニメ・漫画などのIPを有する、いわば“コンテンツIP大国”として、ブロックチェーンゲームの最前線に立つことが期待されている。
大手ゲーム企業の参入事例も徐々にみられつつあり、いよいよWeb3.0をマスアダプションに導くようなブロックチェーンゲームがあらわれ、本格的な競争が始まる可能性がある。
そうした状況で存在感を放っているのが、ゲームに特化したブロックチェーン・Oasysだ。名だたる企業らがバリデータとして参加し、すでにOasys上で展開されているブロックチェーンゲームもある。また、バリデータとして参加する企業を中心に、大手によるOasysの採用事例も見受けられる。そんなOasysを率いる松原亮氏に、Oasysが重要視する使命を聞いた。
──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
松原亮(以下、松原):Web3.0はすべてのサービスをFintech化して、圧倒的な流動性を生むことが魅力です。東証のグロース市場全体の取引高は約1,364億円(2024年8月2日時点)、それに対し、暗号資産取引所バイナンスの1日の取引高は約3.58兆円(2024年8月5日時点)です。
一方、課題としては流動性が高いからこそ投機的な側面が強調されすぎてしまうことです。今年前半は、ビットコイン現物ETFからの資金流入がトリクルダウンされ、ミームコインやAI、DePinなど“narative”と呼ばれる投資テーマに沿った投機一辺倒でした。しかしながら、後半は米国大統領選挙の争点にもなり、規制が明確化され、今後は実用的なユースケースや、イノベーションが促進されていくと思います。
また、環境が整ってから勝負に出ていては、すでに勝負は逸していますので、今のうちに荒野に出て、真摯に取り組み続けることが非常に重要だと思っています。
BCGを一般に浸透させることが使命
──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、どのようなことを成し遂げたいと考えていますか?
松原:ブロックチェーン技術を使ったゲームを一般の人が使うところまで浸透させるのが我々の使命だと考えています。
AIが浸透し、人間がやるべき仕事が減っていくなかで、ブロックチェーン技術を使ったゲームを社会に浸透させることによって、遊びと仕事の区別がつかないくらい楽しい世の中になったら良いなと思っています。
Oasysは日本を代表する企業にご支援いただき立ち上がったプロジェクトです。ゆっくりと衰退し続けてきた日本において、あたらしい分野で、せめて強みのあるゲームだけは世界で勝ちきり、希望を見出したいなと考えています。
今後の展望▶︎
ブロックチェーンゲームを一般化させることが使命
日本の強みであるゲームで世界と勝負する
Profile
◉松原亮 Ryo Matsubara
Oasys Pte. Ltd. Representative Director
アクセンチュア等を経て、2018年よりgumiにて株式会社gumi Cryptos、ブロックチェーンコンテンツ協会立ち上げに参画し、2021年double jump.tokyoに参画。2022年2月より現職。