──現状の次世代テクノロジーの領域・特にバーチャルヒューマンとジェネレーティブAIについてどのように捉えていますか?
ジューストー沙羅(以下、沙羅):AIによって、世界中のクリエイターの出力が早くなったと思います。Awwでもそうで、immaちゃんが始まった時期はCGを主に利用してバーチャルヒューマンのストーリーテリングを中心としたコンテンツをプロデュース、制作をしてきたのですが、近年はありとあらゆる方法でAIを活用しています。たとえば弊社ではAIによって、CGIキャラクターの作成時間を約70%削減する予定です。
これまでのほとんどのCG企業が完全に手動で時間がかかることを考えると「もっと早くコンテンツを出せる!」という良い意味では本当に革命的です。早く、何かを作れるようになったのは本当にすごいことなのですが、「何」を「なんで」作るかがまだ追いついてない気がします。
日常的に生成AIなどの数多くのAIコンテンツをみるのですが、まだあたらしいテクノロジーを使うという目的のコンテンツが多いと思います。
そもそも、創造するという意味って、誰かに何かを伝えて、つながりたいという人間的な欲求からきてるじゃないですか。やっぱり人間は表現をして誰かとつながりたい。それを達成するのには、いつもAww代表の守屋もいっているのですが「心を動かす」ものではなければならないと思います。人の心を動かす。それを可能にするのが絵だったり、カメラだったり、CGだったり、次はAIなんじゃないでしょうか。
AIにより実現可能な心を動かすコンテンツ
──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、課題を解決していきたいですか?
沙羅:immaちゃんのようなバーチャルヒューマンも、AIを1つの手段として、心を動かすコンテンツをつくり続けたいです。バーチャルヒューマンは、次世代のコンテンツを大量に生み出し、世界中の人々を熱狂させることで、人々のつながりを作り出せると思います。リアルに近い見た目を持ち、現実と仮想の境界にいる彼らだからこそできることです。
その次のプロジェクトとして、対話型AIバーチャルヒューマンをローンチ予定です。これは、ユーザーと自然な会話を可能にする音声及びビデオモデルを利用し、自然な表情、動き、声を生成するバーチャルヒューマンです。ある意味、AIを通してリアルタイムにユーザーとバーチャルヒューマンがつながることができるようになります。
まずはグローバルで活躍するバーチャルヒューマンスターのファンビジネス視点から開発し、さらに弊社のMASTER MODEL®を通じてほかの企業とのコラボレーションによりエンターテインメント、教育、カスタマーサービスなど、さまざまなビジネスシーンの対話型AIバーチャルヒューマンの可能性を広げていきたいと思っています。
今後の展望▶︎
AIを1つの手段として心を動かすコンテンツをつくる
ビジネス面でもバーチャルヒューマンの可能性を広げていく
https://aww.tokyo/
Profile
◉ジューストー沙羅 Sara Giusto
Aww Inc Producer
マルチリンガルであり、アート、文化、ダイバーシティーなど、多様な文化を背景に横断するプロジェクトなどに携わりながら、「imma」を始めとするAwwのバーチャルヒューマンのプロデュースを行っている。また、海外事業にてPRやパートナーシップをリードし、MIT、Vogue、WITNESSで講演を行う。