いわゆるWeb2.0の世界ではSNSが目覚ましい発展を遂げたことに加え、重要なツールとして利用されてきた。Web3.0領域においてもSNSはつながりを生み出す重要な役割を担っており、各種サービスによってさまざまな個性や機能を兼ね揃えている。これまでのSNSはユーザーのデータを大手企業らによって管理されてきたが、Web3.0の世界観では個人が自らのデータを所有・管理することが基本となる。
そんなWeb3.0系SNSとして、国内では株式会社ナナメウエが提供する「Yay!」がよく知られた存在だ。Yay!は「すべての人に居場所を」をコンセプトとして掲げ、800万人以上が利用する“バーチャルワールド”として展開されている。ナナメウエはYay!上でトークンとNFTを活用した経済圏を構築するべく、独自暗号資産「YAY」のIEOを目指している。
今後の展望に期待がかかるYay!だが、同サービスを率いる石濵嵩博氏は現在のWeb3.0領域をどのようにみているのだろうか。また、Yay!のこれからについても話をうがかった。
──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
石濵 嵩博(以下、石濵):多くの人を巻き込むためのユースケースが間もなく登場すると考えています。
これまでは、DeFiやインフラ、エンタメがそれぞれ分断された状態で、独自の改善や試行錯誤を行ってきました。
その結果、それぞれの領域での進捗はみられるものの、全体としてのあらたなユースケースといえるだけのものは未だ登場しておらず、前半のブル相場が半減期やETFによる盛り上がりのみになってしまったと思います。
エンタメと金融を高度にミックス
──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、どのようなことを成し遂げたいと考えていますか?
石濵:本質的にはポケモンカードエコシステムのような、カードのトレードをしたりアービトラージをする転売プレイヤーがいる一方で、カードゲームをプレイするマス層もいて、それが相互にプラスの影響をもたらしつつ、ポケモンというすばらしいIPでラップされて1つのエコシステムを形成するようなイメージが完成形だと思います。
Web3.0はその金融部分を強化することができるので、エンタメを高度にミックスし、異なるプレイヤー同士をつなげて1つのエコシステムをきれいにつくることができれば、すばらしい体験を作り出すことができるはずです。
私たちが手がける「Yay!」は、800万人以上のユーザーベースと90,000種類以上のコミュニティがあり、日常的に使う利用者がたくさんいます。その上で、投資家とユーザーの役割をわけるストラクチャを採用して、Web3.0の金融部分をミックスしていきます。
今後の展望▶︎
Web3.0と金融の融合を実現へ
独自のユーザー体験創出を目指す
Profile
◉石濵嵩博(Takahiro Ishihama)
株式会社ナナメウエ代表取締役
2013年5月に株式会社ナナメウエを創業。「つながりを科学する」をテーマに、SNSの領域に従事する。2020年1月に「すべての人に居場所を」というコンセプトに、誰もが素を出せるバーチャルワールド「Yay!(イェイ)」をリリース。2022年4月にシリーズBで総額16億円の資金調達を完了。Yay!上にトークンとNFTで経済圏を構築することによりWeb3.0時代のあたらしい居場所を生み出し日本のソーシャルの民主化を牽引。