──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
近藤智彦(以下、近藤):暗号資産やブロックチェーン、Web3.0領域の本質的なインパクトは、グローバルな経済的距離がさらに近付いていくことではないかと私は捉えております。航空機が世界の物理的距離を縮め人々が国家間で行き来しやすくなったように、インターネットが世界中の人々との通信を可能としたことで、Web3.0が経済的距離を縮め世界中の人々と経済的価値の移動がしやすくなる大きな役割を担うのではないかと考えております。
Web3.0の捉え方として、インターネットが登場し、世界中のコンテンツの閲覧が可能となったWeb1.0、SNSプラットフォーマーを始めとした、個人による情報発信・双方向コミュニケーションが実現したWeb2.0に続く、ブロックチェーン技術を中核とした分散化・非中央集権によるエコシステム構築といった文脈で主に認識されているかと思います。
もちろん私もこの捉え方に異論はありませんが、人々の生活や産業への影響という観点でみると、Web3.0は冒頭に申し上げた通り「経済的価値の移動」に大きく寄与するものと捉えております。たとえば、ビットコインの登場でアドレスさえあれば世界中に価値の送付が可能となったことや、ステーブルコインの登場で法定通貨に連動した価値の移動がしやすくなったことなどがあげられます。