──現状のWeb3.0領域をどのように捉えていますか?
Whiplus:現在のWeb3.0領域を一言であらわすならば「機会と課題」です。技術は数年前と比べて向上していますが、正直マスアダプションはまだ遠いと感じています。もっといえば、一部の人しかWeb3.0を使っていない状況といえるでしょう。
今年7月に開催した「IVS Crypto 2024 KYOTO」でも、もちろんイベントの属性からして事業者の熱気が非常に高いことはわかるのですが、一方で会場のもう半分で行われた「IVS 2024 KYOTO」をメインに参加した方との間では、分断が生じていたとみています。具体的には、そういった方々はWeb3.0に興味関心がありウォレットを実際につくってみたという層ではなかったということです。そこは次回開催で解決すべき課題の1つだと感じました。
とはいえ、IVS Cryptoの開催を通じて前向きな違いを感じた部分もあります。今年はサイドイベントの数がさらに増え、昨年比約1.5倍の307件も開催されました。これはある意味でイベントに参加する目的を最大化させることにつながっていると考えています。
アジアNo.1のスタートアッププラットフォームの責任
──自社のプロジェクト・サービスを通してどのような魅力を届けて、どのようなことを成し遂げたいと考えていますか?
Whiplus:Web2.0やWeb3.0問わず、“リソースの格差”を解決したいです。アジアNo.1のスタートアッププラットフォームである我々としてできることは6つあると考えています。それは「資金」「人材」「技術」「情報」「市場」「政策」です。
まず資金については、IVSのイベントに参加する多くの方が気にするポイントである投資家との接点づくりです。日本一の企業家と投資家のマッチングプラットフォームとして、今後もつながりを生み出していきます。
2つ目の人材については、AIなどの次世代技術に携わる人材を国内外から集めてきてつなげることができるという点で、実際今年のIVSでも成果をあげることができました。3つ目の技術というところも、最先端の技術を展示する場を設けることができるため強みとして捉えています。4つ目の情報もこれらに関連し、ホットなトピックをカバーしています。5つ目の市場は、我々が新規市場の開拓に一役買ったり、海外から日本、また日本から海外といった形で、プロジェクトの橋渡しを担います。
最後に6つ目の政策は、我々のイベントを通じて政策関係者とのつながりを生むことです。イノベーションを阻害する要因として現状の政策・規制も少なからず影響していると思いますので、そういった問題点を直接伝えられる、また提言できる場を創り出して交流できる場を設けられます。
こうした我々が担える役割をまっとうすることで、リソースの格差を解決することができるだけでなく、持続可能性のある社会を実現できると考えています。
今後の展望▶︎
IVSが持つ非常に強力な6つの強み
役割をまっとうしリソースの格差を解決する
Profile
◉Whiplus Wang
IVS Crypto 2024 KYOTO 運営責任者
株式会社リンクアンドモチベーションで、日本最大級HRイベント「Global HR Forum Japan」の運営責任者/「モチベーションクラウド」のエンジニア・開発リーダーを務めた後独立。複数の事業立ち上げを経て2022年、運営責任者として日本最大級のクリプトカンファレンスIVS Crypto 2023 KYOTOを立ち上げ。